リアル二刀流で3年ぶりに投手として勝ち星を挙げたエンゼルス大谷翔平投手(26)が激動の10連戦を終えた。締めくくりとなった28日(日本時間29日)のレンジャーズ戦は「2番・DH」で出場し、4打数1安打。2回には左翼フェンス最上部を直撃するなど、逆方向への打球も飛び出しいよいよ、手のつけられない状態になってきた。

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 24日のアストロズ戦ではメジャーでは自身初となる左翼守備につき、打ってはホームランキング争いを繰り広げ、26日のレンジャーズ戦では3年ぶりに投手として白星を挙げるなど、日米球界の話題を独占し続けている。

 また、ここまで順調にきているリアル二刀流の実現にはマドン監督の存在が大きい。シーズン前から大谷と起用法について細かく意見交換をしたうえで最大限に本人の意思を尊重している。今季2度目の投打同時出場となった26日の翌日の試合では休養も考えられたが、本人は「打者」としての出場をマドン監督に直訴。体調が良い限りは本人の意向を優先させる方針の同監督も出場を認めた。

 同監督は大谷の起用について「とにかく最後まで(二刀流について)試してみようと話している。対話を基にそこから正しい選択をしていきたいと思っている。今は彼の力強さを感じている」と今後も慎重に状態を見極めていく構えだ。

 メジャーでは今だシーズンを通してプレーできていない大谷をどう投打にわたってブレイクさせていくか。それによってチームの勝敗にも大きく関わるとあってマドン監督の手腕に注目が高まる。そんな指揮官の「本音」を解き明かしてみせるのはレイズで共に戦った経験を持つ岩村明憲氏(現・福島レッドホープ監督)だ。

 昨年からエンゼルスの指揮を執る同監督について「マドン監督にとってはエンゼルスに来るというのは特別な意味があったと思う」と語る。現役時代はカリフォルニア・エンゼルスのマイナーで捕手としてプレーをしたもののメジャー昇格は果たせず引退。その後、エンゼルスではスカウト、マイナーリーグの監督などを経て、マイク・ソーシア監督の下でベンチコーチを務め、2002年のワールドシリーズ制覇に貢献した。選手、監督、コーチとしてのキャリアを含め、すべてがエンゼルスから始まっているとあって、思い入れが強いというのだ。

 その後、マドン監督はタンパベイ・デビルレイズの監督に就任。レイズワールドシリーズに導くと、その後移籍したシカゴ・カブスでもチームを108年ぶりのワールド・シリーズに導き、最優秀監督賞に3度輝くなど、その手腕は広く知られている。

 そんなマドン監督が満を持して、古巣に戻ってきた。そこには「名実共に名監督になってエンゼルスに戻ってきたのは、低迷しているチーム状態もある。そういう意味ではトラウト、大谷、この2人がいるこのチームを『何とかしたい!』というのがマドン監督の考えだと思う。すごくやりがいを持った中で監督を引き受けたんだろうなというのは想像がつきます」(岩村氏)と指揮官の心中を思いやる。

 チームは2002年にワールドシリーズ優勝を果たした後、2000年代後半に黄金期を迎えるも、2014年の地区優勝を最後に低迷。苦しい状況下で古巣のチーム再建を買って出たのは、投打の柱となる2人の存在も大きかったというのだ。

 常にプレー中は細かく目配りをし、大谷がマウンドを降りるごとに状態を確認し、声をかける。リアル二刀流もそんなマドン監督の気配り、目配りがあったからこそなしえたという声も多い。

 大谷の次回登板は5月3日(同4日)のレイズ戦が予定されている。マドン監督の思いをしっかりと受け止めた大谷の快進撃は続く。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


名将・マドン監督が大谷に託す「思い」とは・・・