1年の半分以上ワーケーション生活を実践する達人、くぼたびさんご夫婦に「ワーケーションのリアルと始め方」を伺う本連載。前回は「自宅はどうしているの? 支出が増えてしまうのでは?」など、気になっていた細かい疑問を解消できました。最終回の今回は「ワーケーションしたくなったら、どこへ行く?」編。ワーケーションの達人・くぼたびさんが推奨する「Good!ワーケーションスポット」を紹介します。

【画像】ワーケーションお勧めスポットの1つ・白馬村

●ワーケーションもお勧めスポットは、「気になる・行きたい場所」「好きな場所」に「仕事できそうなところがあるか」をプラスして探す

―― これまで日本中、いろいろなところを巡ったと思います。ワーケーションをするならば、どこがおすすめですか? ワーケーションをするのに向いているスポットやエリア、都市、機能といった条件もあるのでしょうか?

 2~3年前と違って、いま(2021年)は地方でもコワーキングスペースカフェをはじめとする仕事ができる施設が増え、PC仕事に必要な電源と通信環境はかなり整ってきました。

 特に「観光地として人気の場所」は(宿泊施設や街、自治体としてもワーケーションの誘致を盛んに進めていることもあり)設備が整っているところが多いですね。せっかく行くのならば「景色のきれいなところ」「温泉などプラスαがある観光地」がいいですよね。

 でも、あえて不便さを楽しむことが人気である場所もあるので、いつもの旅計画に加えて、その近辺で「仕事ができそうな場所」も事前に調べておくといいでしょう。

 私たちは「温泉に24時間入れるホテル」に好んで泊まります。第2回「ワーケーションの生活リズム、“仕事と遊び”の切り分け方」で生活リズムを紹介したように、深夜まで仕事しても「この後、温泉に入れるならば」とがんばれるので(笑)

―― 「目の前のにんじん」「ごほうびがある」。あらためてモチベーションの維持・高揚は大事ですね。

 ワーケーションなので、「ケーション」の部分がモチベーションに大きく関わってきます。目の前ににんじんをうまくぶら下げるとがんばれてしまいます(笑)

 だから「自分の好きなもの」や「ここが気になる」という場所を第一に、そこに「ワーケーション向けの施設があるかどうか」の条件も加味して調べる。こんな探し方でしょうか。

―― 自分のためなので、あくまでも「自分の行きたいところ」が軸になるのは普通の旅探しと変わらない、と。ただし遊びに行くだけではないので、きちんと切り分けて仕事ができるかどうか、“宿や自治体としてワーケーション/テレワーク環境の整備に力を入れているかどうか”とかもありそうですね。

 はい。その上で、落ち着いて集中して仕事をするためにやっぱりコワーキングスペースを利用することがお勧めです。施設ごとに内装や設備にも工夫があるので、最近は全国各地のコワーキングスペースに行くこと自体が楽しくなってきています。

●くぼたびさんお勧めスポット5選

(1)宮古島沖縄県) 役場の議会場をコワーキングスペースとして整備した「宮古島ICT交流センター

 まずは宮古島です。景色がきれい、観光地としてもともと魅力のある場所です。数年前まではネット環境がよくなかったと聞きますが、ここ数年で劇的によくなりました。無料Wi-Fiサービスを設けたカフェもかなりありました。

 それに、何といっても「宮古島ICT交流センター」が魅力的です。

 宮古島ICT交流センターは実際に使われていた「町役場の議会場」をコワーキングスペースとして整備し、一般ユーザーが利用できるようにしました。議長席、マイクや発言ボタンなども残っています。議員になった気分で仕事ができる、面白いコワーキングスペースですよ。

(2)石垣島沖縄県) 天気予報が外れてもワーケーションならば……!

 続いては石垣島。ここも季候のよい名観光スポットで、船で離島を巡りながら観光を楽しめます。無料Wi-Fiサービスがあるカフェスポットもけっこうありました。

 石垣島沖縄県ですが、テレビ天気予報や天気アプリの「全国の天気」に表示される「那覇」の天気予報があてになりません……。予報では(那覇は)雨と出ているのに実際は晴れるとか、もちろんその逆もあります。

 数泊まで程度のよくある観光は、楽しさが天気に左右されてしまうこともあり得ます。長期間ゆるめに滞在して、天気によってもその日の予定を決められるワーケーションの自由さが生きる場所じゃないかなと思います。

(3)白馬村長野県) 温泉+森の中の別世界コワーキングスペースを設置

 長野県白馬村は、何といっても温泉が魅力です。1998年長野オリンピックの開催地でスキージャンプ台などの名所も残り、観光地として楽しい場所です。

 白馬村自治体としてワーケーションを推進していることもあって、ホテルが独自のコワーキングスペースを持っていたりします。

 おすすめのワーケーションスポットは「白馬岩岳マウンテンリゾート」。ここに、岩岳の山頂にあってロープウェイでしか行けないコワーキングスペース「森のオフィス」があります。

 Wi-FiサービスのIDとパスワードが木の看板に書いてあったり、Web会議に便利なドームがあったり。ハイジのブランコテラスカフェバギーなんかもあって、遊びながらリラックスして働けます。

(4)秩父市埼玉県) コワーキングスペースが整備されたワーケーション推進の観光地

 埼玉の秩父も街としてワーケーションを推進しています。コワーキングスペースが数カ所あり、電源や通信環境に困りませんでした。

 果樹園も多く、夏期は天然氷のかき氷のお店が人気。冬季は滝が凍る氷瀑を鑑賞できます。西武秩父駅に直結する温泉施設「祭の湯」もよかったです。池袋から約1時間半(直通の特急もあり)、首都圏の人はアクセスしやすい場所なのでワーケーションはじめの一歩にはぴったりかもしれません。

 「和空間 多豆」は縁側もある築90年以上の古民家を改装したコワーキングスペースで、とても雰囲気がよかったです。

(5)伊豆半島静岡県

 伊豆半島ホテルや旅館も多い著名観光エリアホテル車中泊もいいですが、やや長期滞在するならばWi-Fiサービスなどの通信環境と温泉付きの「コンドミニアム(マンションタイプ)」を選んでみてはいかがでしょうか。

 例えば以前利用した、「ガーランドコート宇佐美」は、外観こそマンション風ですがワーケーションステイプランを用意し、備え付けの温泉に24時間入り放題で、キッチンなどの設備もある宿泊施設です。

 こちらには「気合いを入れて仕事をする日」のために選んだので、家で使っている大型の外付けディスプレイもあらかじめ持っていったほどです。家みたいな快適さがありながら、仕事を終えたらすぐ旅気分になれる、“ならでは”のワーケーション生活を過ごせました。

●ワーケーションは「もう特別なこと」ではありません

―― 実践したことで分かるワーケーションの「ギモン」、いろいろと教えていただきありがとうございました

 ワーケーションって名前は聞くようになってきましたが、いまいち実態が分かりづらい部分もあります。自分たちも正直、最初はなじみがなかったし、「ほんとに働けるかな? ちょっと信じられないな……」ってイメージでした(笑)

 この記事をきっかけに、少しでもワーケーションという働き方もあることを知ってもらい、ぜひ実践してもらえたらなと思っています。ワーケーション、楽しいですよ!

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 実際に実践している方の実態を聞くと、ワーケーションは「特別なこと」ではないように思えてきました。特に「土日に旅行に行く場合と実はあまり変わらず、ただ移動が先にあるだけ」の考え方は、すごく納得感がありました。

 喫茶店やコワーキングスペースで仕事をする延長として。「どこでも働ける」ならば、気負わず、もっと軽い気持ちでワーケーションに触れてみてもいいのですね。

 皆さんもワーケーション、いかがですか?

1年の半分以上ワーケーション生活を実践する「くぼたび」さん