2021年5月11日までの期限で東京・大阪・兵庫・京都の4都府県に発令している緊急事態宣言を、政府が延長する方向で調整に入ったことが分かりました。

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染拡大を受けて発令された緊急事態宣言ですが、感染者数は増加の一途をたどり、事態収束の兆しは依然として見えていません。

医療現場のひっ迫も深刻化しており、同月4日放送の情報番組『スッキリ』(日本テレビ)に出演した日本感染症学会の指導医、水野泰孝医師の発言に「考えさせられる」とのコメントが寄せられています。

水野医師「本当に、やってられない」と本音をポツリ

この日の放送では、コロナウイルスに感染した女性のインタビュー映像が流されました。

女性は飲食店に時短営業の要請が出ていた期間、満席状態のバーで22時以降まで飲酒。その結果、コロナウイルスに感染し、嗅覚の異常が続いているといいます。

涙ながらに後悔の念を口にする女性のインタビュー映像を受け、水野医師は「お店だけや、お客さんだけを責めてもいけない」とした上で、こうも続けました。

我々医療者の立場からすると、患者さんを責めることはできないんですが、ただ、こういった方はすごく多くてですね。

これだけ自粛あるいは外出をしないでって呼びかけがあってもですね、先日も夜通し10時間ぐらい10人ぐらいで外で飲んでたって方が熱を出して来られたんですけど、本当に…やってられないんですよね、はっきりいって。「なんで?」って思っちゃって。

私も1年間ずっとやってきて、本当にそれを聞くとですね、なんのために私は診療しているのかって思ったりも毎回するんですよ。

スッキリ ーより引用

途中、言葉をつまらせながら「やってられないんですよね」と本音を口にした水野医師。コロナウイルスの治療の最前線で闘う医師の立場だからこそ、その言葉からは強い憤りの念が感じられます。

放送終了後、水野医師の言葉は反響を呼び、ネット上には同情にも似た声が数多く寄せられました。

・自分が感染したらって『その先』のことまで考えられる人が少ない。

・どれだけ医療現場の人が頑張っても、国民一人ひとりが気を付けないと、努力も水の泡。

・本当に同情する…。やるせないだろうな。

GW期間中、緊急事態宣言が発令されていない地域には近隣の県からの観光客も多く見られ、感染者数の増加が危惧されています。

どれほど国や自治体、そして医療現場が注意をうながしたところで、私たち一人ひとりが気を付けなければ感染拡大は収まりません。

長引く自粛にストレスがたまる気持ちも理解はできますし、飲食店も売上急減は死活問題。誰が悪いとはいえない難しさもあるでしょう。

だからこそ、今一度自分たちにできることは何か…考えさせられます。


[文・構成/grape編集部]

出典
スッキリ
※写真はイメージ