広東料理は「2本足は親以外、4つ足は机と椅子以外は食材になる」と言われるように、中華料理は全般的に食材の種類が非常に豊富だと言えるだろう。そして、日本人が見向きもしないものが中国では高級食材になることもあるという。中国メディアの百家号はこのほど、「日本では嫌われ者の雑草が、中国では高級食材になっている」と紹介する記事を掲載した。

 記事が紹介しているのは、多年生植物の虎杖(イタドリ)だ。道端や土手などあちこちに群生しているので、見たことがある人は多いはずだ。短期間で1メートル以上の高さに成長し、荒れ地やがけ崩れなど過酷な土地にいち早く入り込むたくましさがある。

 しかし、その特性があだとなり「日本では嫌われ者になっている」と紹介している。生命力が強すぎてほかの植物が成長できなくなり、コンクリートも突き破ることさえあると伝えた。雑草としてはこの上ない「厄介者」と言えるだろう。記事はその点、中国では川辺に多いので繁殖を気にする必要がなく、食用また薬用として重宝していると紹介した。抗がん作用があるという話が広がったため高値が付き、高級食材になったほどで「さすが何でも食べる中国人だ」と誇らしげに伝えている。

 筆者はイタドリの良さを知っているのが中国人だけのような体で話を進めているが、イタドリの根茎から作られる生薬の虎杖根(こじょうこん)は、日本では薬局でも販売されている。また、春先の若い茎、葉、新芽はそれぞれ食用にもされている。

 ちなみに、筆者がイタドリに抗がん作用があるとしているのは、虎杖根に含まれる成分に抗菌作用と抗がん作用があると報じられたためだろう。多用すると副作用があると指摘されており、使用には注意が必要だ。中国では、何でも良いとうわさされたものに人が殺到し、価格がつりあがる傾向がある。どんなものでも、良い面と悪い面があり、正しく理解したうえでバランスよく活用するのが理想ではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国で高級食材とされる植物、日本では「嫌われ者」扱いだった=中国