世界中で、今なお約8億人もの人が飢餓に直面していると言われる昨今、世界人口は依然として増加の一途を辿っており、未来の食糧不足に対する懸念が高まり続けているのは周知の通りです。

 そんな中、次世代の食糧源として注目されているのが、最近メディアでもよく取り上げられるようになった「昆虫食」です。従来の家畜に代わる新たな動物性たんぱく源として、大きな期待を背負うこの昆虫食。しかし、「虫を食べる」という行為に嫌悪感を抱く人が多々存在するのも事実で、日々の食卓になかなか進出できない一つの要因になっています。

 そこで、昆虫の姿形を一切残さないような製品を作る取り組みが各所で行われています。今回はその中でも、「昆虫食だよ」と言われないと分からないような、抵抗感ゼロの製品を4品、厳選してご紹介。ぜひこれからの時代を担うであろう、新たな食文化に触れるきっかけにしてみてください。

香ばしくてコク深い、コオロギ粉末入りコーヒー

『バグズファーム』の「クリケットブレンドコーヒー」100g・2000円(左)/12g・500円(右)
『バグズファーム』の「クリケットブレンドコーヒー」100g・2000円(左)/12g・500円(右)

 こちらは世界中の昆虫食を販売する通販サイト『バグズファーム』から発売されている、「クリケットブレンドコーヒー」。クリケットとはコオロギのことで、こちらの製品では粉末状にしたコオロギが豆に加えられています。

見た目は一般的なコーヒーそのもの
見た目は一般的なコーヒーそのもの

 コーヒー豆には酸味や苦み、コクのバランスが取れた「ブラジルサントス種」を使用。ローストしたコオロギの持つ香ばしさと合わさることで、昆虫の味として考えられがちなエグみを一切感じさせない、奥行きのある味わいに仕上げられています。

魚粉のような風味のコオロギパウダー入りラーメン

『バグズファーム』の「こおろぎラーメン」200g・780円
『バグズファーム』の「こおろぎラーメン」200g・780円

 こちらも先述の『バグズファーム』から発売されている「こおろぎラーメン」。日本人のソウルフードでもあるラーメンと組み合わせることで、親しみやすさと美味しさを兼ね備えた商品となっています。

 使用されているコオロギウダーは、まるで魚粉のような風味。それが醤油ベースのスープに混ざり込むことで、奥行きのある興味深い味わいを実現。さらに、栄養面も秀でているのがこの「こおろぎラーメン」。コオロギに含まれているタンパク質やカルシウム、亜鉛などの様々な健康成分が一度に摂取できるため、普通のラーメンよりヘルシーなのも嬉しいですね。

桑の葉が香る、カイコの幼虫のフンを使ったお茶

『バグズファーム』の「蚕糞茶」 3g×5パック864円
『バグズファーム』の「蚕糞茶」 3g×5パック864円

 こちらも同じく『バグズファーム』から発売されている「蚕糞茶」。その名の通り、じっくりと長い時間をかけて焙煎された蚕の幼虫の糞を使ったお茶です。「え!? フン?」と思う人も多いと思いますが、実はカイコは大昔から「蛹3個で鶏卵1つ分の栄養」と称されるほど栄養価が高いことで知られています。

鮮やかな色合いも香りも魅力的
鮮やかな色合いも香りも魅力的

 抽出すると、まるで紅茶のような色合いになるこちらのお茶。ノンカフェインで飲みやすく、桑の葉の深みのあるマイルドな口当たりがクセになる一杯。高い栄養分が溶け出し、体を内面から体調を整えてくれるのもポイント。季節ごとにホットやアイスで楽しむのもOKです。

ポテチより断然ヘルシーなコオロギパウダーのチップス

『FUTURENSUT』の「コオロギと温泉水のチップス」50g・500円
『FUTURENSUT』の「コオロギと温泉水のチップス」50g・500円

 最後にご紹介するのが、高崎経済大学発のベンチャー『FUTURENSUT合同会社』が手掛ける「コオロギと温泉水のチップス」。小麦粉の優しい甘さ、コオロギ香ばしい風味、温泉ミネラルのほのかな塩味が融合した、自然の風味豊かなおやつです。

まさかこれがコオロギとは、言われなければ気づかないはず
まさかこれがコオロギとは、言われなければ気づかないはず

 原材料にとことんこだわっており、食品添加物や食塩は一切使わず、コオロギウダーの風味を最大限に活かした一品。一口サイズで老若男女問わず食べやすく、また一般的なポテトチップスに比べてタンパク質は2.5倍、脂質は85%カットというヘルシーっぷり。

 コオロギウダーらしい、炒ったナッツのような香りと、軽やかな旨みを堪能できますよ。

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