中国ではこれまで、無数の抗日ドラマが作られ、放送されてきた。なかには荒唐無稽な描写が満載の抗日ドラマも多々あり、こうしたドラマは「抗日神劇」と呼ばれている。
「抗日神劇」は中国人からも批判の声が出ているほどだが、日本人は特に中国側に「抗議」することもない。中国メディアの百家号は5日、「抗日神劇に日本人が抗議しない理由」と題する記事を掲載した。中国人としては、荒唐無稽な描写ばかりの抗日神劇に日本人が「抗議しない」のが不思議らしい。
「抗日神劇」は、往々にして史実とはかけ離れた内容で、当時の日本兵をどうしようもなく弱く描き、中国人の主人公が素手で日本兵を切り裂くなどのあり得ない演出も目立つ。そのため、日本から抗議の声が出ないというのは、中国人としては不可解なようだ。
記事によるといくつかの可能性が考えられるそうだ。まずは、触らぬ神に祟りなしで「あえて反応していない」可能性だ。また、内容が大げさすぎて「日本人がまともに取り合っていないため」かもしれないとした。
また、日本の若者の目に触れて「面白がる」ことはあっても「歴史を直視させる」ことにはならないだろうと主張したほか、中国の抗日ドラマが「日本を憎む高齢者のうっ憤を晴らす」一助になっていることを日本人は「見抜いている」可能性があると分析し、こうした要因から「日本人は抗日神劇に抗議しない」のではないかと主張した。
日本人にはすっかり「コメディドラマ」のイメージが定着してしまった中国の抗日神劇だが、中国政府もこれを問題視しているため、これからは見る機会も減っていくかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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