日本と同じように中国でも「コメ」は主食の1つとして食べられている。農業大国の中国はコメの生産量で世界一の規模を誇るが、その一方では日本からコメの輸入も行っている。中国メディアの快資訊は6日、中国のコメ生産量は世界一なのに、「なぜ日本からコメを輸入する必要があるのか」と問いかける記事を掲載した。

 記事は、数億人を超える農民がいる中国は世界有数の農業大国であり、コメ生産量は年間2億トンに達し、これは圧倒的な「世界一」であることを強調。それにもかかわらず中国は毎年約181万トンのコメを輸入しており、そのなかには400トンの「コシヒカリ」も含まれていると指摘している。

 日本からコシヒカリを輸入するのは中国のコメ不足を補うためだと主張する人もいるそうだが、中国国内におけるコメ消費量は約1億8000万トンであり、数字上では中国は問題なくコメを自給自足できるはずだと説明。では、なぜ中国は400トンものコシヒカリを日本から輸入しているのだろうか。

 この問いに対して、記事は「日本からのコシヒカリの輸入は、中国のコメ不足の解消という目的ではなく、中国国内の高級レストランで使用するといった、ハイエンド向けのニーズを満たすため」と説明。コメに限ったことではないが、中国の農業はずっと「生産量」だけを重視し、美味しさなどの「質」は軽視されてきたと強調し、それゆえ中国では日本のように「美味しい米」を作るのが難しい現状があるのだと論じた。

 日本で暮らす中国人が増えるなか、日本のコメを食べ慣れていた中国人のなかには中国帰国後に「美味しくない中国産のコメが食べられなくなった」という人もいるようだ。コメの品質向上は、中国の農家の今後の課題といえるかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

コメの生産大国である中国が日本から「コシヒカリ」を輸入するワケ