東京都新型コロナウイルスの新規感染者が700人を超えていた4月20日、日本医師会の中川俊男会長(69)が自ら発起人となり、政治家の政治資金パーティーに参加していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。

 東京都では「まん延防止等重点措置」(まん防)が適用されており、4月20日には、新たに711人の陽性者が確認されるなど感染が拡大。3日後の4月23日には緊急事態宣言の発令が決定した。

 そうした中、中川氏が発起人を務めたのは、自民党の自見英子参院議員(45)の政治資金パーティー(会費2万円)だ。

「自見氏は、自見庄三郎元郵政相の娘で、日本医師会傘下の政治団体『日本医師連盟』の組織内候補として2016年参院選で初当選しました。2019年9月には厚労政務官に就任。ただ、『週刊文春2020年7月30日発売号で、既婚者だった橋本岳厚労副大臣(当時)が、自見氏の議員宿舎に長時間滞在する様子など2人の不適切な関係が報じられました。両者は、加藤勝信厚労相(当時)から注意を受けています」(政治部デスク

 小誌が入手したパーティーの案内状によれば、中川氏は発起人として〈(自見氏は)厚生労働政務官在任中には新型コロナウイルス対策本部の本部長代理として先頭に立って国難に対峙し、現在は参議院厚生労働委員会理事、自民党青年局長代理などの重責を担われています〉などと記した上で、〈公私ともにご多用と存じますが、是非ともご協力賜りますようお願い申し上げます〉と、関係者に対し、パーティーへの参加を呼び掛けていた。

 だが、医師会内部では、疑問の声も上がっていたという。

「中川氏は4月7日の定例会見で『国民が新型コロナに慣れてしまい、自粛という我慢は限界にある。国民の中に危機感、緊張感を呼び戻さなければならない』と強く訴えていました。そうした中で、中川氏自らが感染リスクの高い政治家パーティーへの参加を呼び掛けていたのです。せめて中川氏はパーティーへの参加を取りやめるか、オンラインでの参加にすべきという声が上がっていました」(医師会関係者)

 ところが、中川氏は4月20日の朝8時から行われた自見氏のパーティーに参加していた。

「会場は都内のホテルの宴会場。一部はオンライン参加だったものの、医師会の幹部らを中心に100人規模の参加者が集まった。中川氏は前方のひな壇に座っていました」(同前)

自見事務所、中川氏の回答は……

 自見事務所は以下のように回答した。

「ご質問の政治資金パーティーを開催しております。開催にあたりましては、感染拡大防止のための所要の措置をした上で実施しております。ホテル側とも相談し、政府や自治体の感染症対策に則り、来場者の検温や手指の消毒、マスクの着用のほか、会場における密集防止・参加者間の間隔保持のために入場者数は収容定員を大幅に制限し、ライブ配信も併用しました。飛沫感染防止のためレイアウトや飛沫防止版(ママ)の設置や、受付時の混雑回避のため事前受付を実施するとともに、飲食は提供しないという措置で実施しました」

 一方の中川氏は「自見はなこ後援会会長」「日本医師連盟委員長」の立場で、以下のように回答した。

ホテル側と十分な事前協議を行い、感染症対策のガイドラインに基づき開催いたしました。当日は、徹底した検温・手指消毒・マスク着用・十分な距離の確保を講じ、飲食の提供は一切行っておりません。また、オンライン配信を中心に行い、入場者数を制限し、感染防止に努めて開催いたしました」

 これまで政治家の会食などには「全面自粛を」と厳しい姿勢を見せ、国民にもステイホーム生活など徹底した感染対策を強く求めてきた中川氏。医師会トップとして適切な行動だったのか、議論を呼びそうだ。

 5月11日(火)16時配信の「週刊文春 電子版」及び5月12日(水)発売の「週刊文春」では、「『五輪、無理だ』警備トップ『爆弾証言』」と題して、組織委中枢が吐露した政府への批判、今夏開催にこだわる菅義偉首相のオフレコ発言、1日100万ワクチン接種に疑義を呈する厚労省幹部の証言、水面下でIOCが掛けている中止保険の存在などについて詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年5月20日号)

中川医師会会長 ©共同通信社