2019年9月23日茨城県境町の一軒家で小林光則さん(当時48)と妻の美和さん(同50)が刃物で刺されて殺害され、長男(同13)と次女(同11)が重軽傷を負った一家殺傷事件。茨城県警は5月7日埼玉県三郷市に住む無職・岡庭由征(26)を殺人容疑で逮捕した。岡庭容疑者はどのような環境で育ったのか。岡庭容疑者の父親が、過去の裁判で息子の幼少期について証言していた。

 岡庭容疑者は16歳だった2011年に「連続通り魔」事件を起こし、殺人未遂容疑で逮捕された過去があった。同年11月、三郷市で中学3年の女児(当時14)の顎を包丁で刺して重傷を負わせ、同年12月松戸市で小学2年の女児(同8)の背中や胸などを小刀で刺して同じく重傷を負わせている。

 父親は、通り魔事件の裁判の証人尋問で、岡庭にナイフを買い与えた経緯についてこう述べている。

「(息子が)インターネットオンラインショップナイフを売っているところを見つけ、興味を示すようになった。サバイバルナイフの画像を見せながら『いいなあ、買ってよ』などと言ってきた。『なんで欲しいの』と尋ねると、『かっこいいからコレクションしたい』と。とはいえ、持ち歩くと銃刀法違反になるのはわかっていたので、『外に持ち歩いたりしたら絶対ダメだぞ』などといって、代わりに私の名前で注文し代引で購入していた。お小遣いについては毎月いくらと金額を決めていたわけではなく、必要なときにいくら欲しいと言ってくるので、その都度、妻が数千円を渡していた。たまたまナイフを入れる)ケースを見たとき、買った覚えのない斧が入っていて、問いただしたら(息子が)ホームセンターで買ってきたとわかった。工作で使うなどというので、深く追及しなかった」

 さらに息子が女子生徒を刺したことについては、こう供述している。

「私も妻も甘いと言われればそれまでですが、何か不自由をさせた覚えはありませんし、(息子の)環境は私に言わせればとても恵まれている方だと思っていました。それなのに、どうしてこんな事件を起こしたのか、私達家族としても教えてもらいたいくらいだと思っています」

 5月11日(火)16時配信の「週刊文春 電子版」及び5月12日(水)発売の「週刊文春」では、中学時代から猫を虐待し始め、「少女を襲うのに性的興奮を感じていた」という岡庭の半生、通り魔事件後に資産家だった岡庭家が陥った苦境、医療少年院出所後に暮らしていたグループホームでの様子などについて詳報する。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年5月20日号)

岡庭由征容疑者 ©文藝春秋