
近年、経済成長が著しいインドでは、自動車市場も急速に拡大している。市場の「将来性」や「潜在力」という点では中国もインドも魅力的だが、インドの自動車市場は中国とはずいぶん様相が異なる。中国では車体が大きく、見た目も高級感のある車が人気を集めていて、外資ブランドで最大のシェアを獲得しているがドイツであるのに対し、インドでは日本メーカーが最大のシェアを獲得している。
中国メディアの騰訊はこのほど、インドの自動車市場について紹介する記事を掲載した。中国では販売が振るわずに撤退した日本ブランドが、インドで販売台数トップになっていると伝えている。
記事は、2020年のインドにおける自動車販売台数トップ14を紹介した。11位から14位までは順にフォルクスワーゲン、シュコダ、日産、フィアットで、これらのメーカーは販売台数から言えば、「インドではマイナーブランド」になるという。中国で1番人気ともいえるフォルクスワーゲンがインドではマイナーとされることは中国人にとっては驚き以外の何ものでもないだろう。
10位には約2万8000台を販売した英国のMGがランク入りしているが、記事はMGが中国の上海汽車グループに買収されて傘下に入っていることを強調した。6位から9位は順にルノー、トヨタ、ホンダ、フォードだったが、ルノーは中国ではあまり有名ではないブランドであるため、記事は「こうした点からも、インドと中国の自動車市場の違いが分かる」と指摘した。
トップ5位のうち3位にタタ、5位にマヒンドラ&マヒンドラとインドブランドが入っており、2位はヒュンダイ、4位は起亜自動車と、韓国から2社ランクインした。特に2位のヒュンダイは42万台以上を販売しており、インドで大きな存在感を示していると言えるだろう。
そんなヒュンダイを抑えて1位となったのが日本のスズキだ。販売台数は121万台以上でヒュンダイの約3倍であり、インドで圧倒的な人気を誇っていることがよく分かる。スズキは中国市場では振るわず、すでに撤退しているため、中国人からするとこの結果は意外だったようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

コメント