出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:木藤 俊一)は、次世代を担う若手作家の発掘・育成を目的とする「シェル美術賞2021」の作品募集を7月10日から開始します。(締め切り:8月27日
「シェル美術賞」は、40歳までの若手作家を対象とする公募展で、1956年にスタートし今年で創設65年を迎えます。「シェル美術賞2021」は、コンテンポラリー・アートの分野で活躍する学芸員、作家など、新任2名を含む計4名の審査員による多彩な視点で審査を行います。若手作家の皆さんの挑戦をお待ちしています。


◆シェル美術賞2021実施概要
*詳細は出光興産公式Webサイトに掲載の作品応募規定をご確認ください。
https://www.idemitsu.com/jp/enjoy/culture_art/art/index.html

【応募資格日本在住で2021年3月31日時点40歳以下の方
※誕生日が1980年4月1日以降の方
※応募時に、年齢・在学(学生の場合)を確認できる証明書のコピー等が必要
【募集作品】・平面作品でワイヤーによる壁面展示が可能なもの
・2019年以降に制作された新作で、他の公募展等で入選していない作品
・サイズ=162.0cm×162.0cm(S100号)以内
・厚さ、重量=15cm、30kg以内
【出品料】 出品は1人3点まで
1点 = 7,000円(6,000円)
2点 = 11,000円(9,000円)
3点 = 14,000円(11,000円)
専門学校・大学・大学院生は括弧内の割引料金
※高校生以下は無料、ただし1人1点に限る
【申込期間】 7月10日(土)~ 8月27日(金) 必着
【作品搬入】 9月18日(土)~ 9月19日(日)
【展覧会】  12月8日(水)~ 12月20日(月) ※14日(火)休館
国立新美術館 展示室1B
Webサイトhttps://www.idemitsu.com/jp/enjoy/culture_art/art/index.html
【学生支援企画】 1.学生特別賞を設定、2.出品料割引、3.展覧会入場料無料
【備考】 応募に関する追加情報は5月中に発表します。

◆審査員紹介
今回の審査員は、以下の4名です。(敬称略)
・木村 絵理子(横浜美術館主任学芸員)
・角 奈緒子(広島市現代美術館学芸員)
・桝田 倫広(東京国立近代美術館主任研究員)※新任
・ユアサエボシ(画家 シェル美術賞2013年入選)※新任
      
◆審査員プロフィール(敬称略)

木村 絵理子(Eriko Kimura

横浜美術館主任学芸員、ヨコハマトリエンナーレ2020企画統括。
現代美術の展覧会を中心に企画。近年の主な展覧会に、”Hanran: 20th-Century Japanese Photography”(ナショナル・ギャラリー・オブ・カナダ、2019‐2020年)「昭和の肖像―写真で辿る『昭和』の人と歴史」展(アーツ前橋、2018年)他。横浜美術館の企画に「BODY/PLAY/POLITICS」展(2016年)、奈良美智展(2012年)、高嶺格展(2011年)、束芋展(2009‐10年)、金氏徹平展(2009年)、GOTH –ゴス–(2007‐08年)など。



<コメント>
今、みなさんにとって絵画はどのような意味を持っているでしょうか。昨年、シェル美術賞の審査員を拝命した頃、時を同じくして新型コロナウイルスの世界的なパンデミックが始まりました。わずか1年の間に、私たちの生活環境は大きく変わり、美術館やギャラリーといった美術作品を発表し、鑑賞するための場のあり方もまた、日々問い直されています。万全の態勢の下で開催された昨年のシェル美術賞の審査会や授賞式もまた、その例外ではありませんでした。しかし、同時にその場に漲っていたのは、美術の普遍的な価値を求めようとする熱気~アーティスト、主催者、観客それぞれの~でした。ここは何かの答えを追究する場ではありませんが、シェル美術賞に向けて集う若い才能が、将来的に、ある時代の証言となっていくことだろうと感じています。

撮影:花田 慶一
奈緒子(Naoko Sumi)
広島市生まれ。2005年、成城大学大学院文学研究科美学・美術史専攻修士課程修了(西洋美術史)。2006年より広島市現代美術館にて勤務。これまで企画した主な展覧会は、「金氏徹平展 splash & flake」(2007)、「西野達展 比治山詣で」(2007)、「この素晴らしき世界:アジアの現代美術から見る世界の今」(2011-12)、「俯瞰の世界図」(2015)、「世界が妙だ! 立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画」(2016-17)、「松江泰治|地名事典」(2018)など。 <コメント>
シェル美術賞の審査員を務めるのも三年目、最後の年となりました。振り返れば、一年目は、応募されたたくさんの作品から発せられる熱意にとにかく圧倒され、受け止めるのに精一杯でした。二年目には、作品をとおして作者の意図を推察しようと思える程度の余裕が、多少は生まれたように感じました。作品の制作とは端的に「なにを、なにで、どう表すか」ですが、絵画の場合「なにで」を示す素材は限られています。しかし、ある程度の制約は必ずしも不利に働くわけでなく、むしろ「なにを」「どう」の可能性を思いの外、深め広げるのではないかとすら感じます。今年はどのような思いを抱くことになるのか自分でもわかりませんが、素晴らしい作品との出会いを楽しみに、審査に取り組みたいと思います。

桝田 倫広 Tomohiro Masuda
1982年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科美術史学専攻博士後期課程単位取得退学。主な展覧会に「ピーター・ドイグ展」(2020)、「アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる 1960–1990年代」(共同キュレーション、東京国立近代美術館、韓国国立現代美術館、ナショナル・ギャラリー・シンガポール2018–2019)、「No Museum, No Life?―これからの美術館事典 国立美術館コレクションによる展覧会」(共同キュレーション、2015)、「高松次郎ミステリーズ」(共同キュレーション、20142015)など。

<コメント>
歴史と現在に真摯に向き合ってつくられた作品のみが、時代に淘汰されず後世に残っていくものとわたしは考えています。審査員を務めるにあたっても、この点を念頭に置いて臨むつもりです。ただ、歴史と現在との向き合い方を重視するということは、とりもなおさず、作品がわたしの見識を試すということでもあります。そう考えると今から少し緊張してしまいますが、それ以上に、この機会を通してたくさんの作家、作品と対話できることが楽しみです。どうかよろしくお願いいたします。

提供:毎日新聞
ユアサエボシYuasaeboshi)
1983年千葉県生まれ。2005年東洋大学経済学部国際経済学科卒業後、商品先物取引会社に就職するも半年で倒産、一転して画家を志す。2008年東洋美術学校絵画科卒業。近年では架空の画家を演じる作品を展開。主な個展に2019年「侵入するスペクトルAKIO NAGASAWA GALLERY AOYAMA(東京)、2019年「曲馬考」銀座蔦屋書店アートウォールギャラリー(東京)、2019年「プラパゴンの馬」EUKARYOTE(東京)、主なグループ展に2020年「森-Deep Forest-」YOSHIAKI INOUE GALLERY(大阪)、2018年「シェル美術賞 アーティスト・セレクション2018」国立新美術館(東京)、2017年「第20回岡本太郎現代芸術賞展」川崎市岡本太郎美術館神奈川)、主な受賞に2018年第10回絹谷幸二賞など。

<コメント>
芸術とは「客観化された時代精神」と言われています。戦後、政治と生活の距離が近かった時代には、それらの現状を問いたり嘆くような作品が、画家の内なる衝動から描かれてきました。現代はどうでしょうか。今の自分たちが生きている社会を意識して、そこに描く意味を見出すことも必要でしょうし、時代性など意識せずに、ひたすら己の内に籠る覚悟も同じく必要だと思います。時代時代で絵を描くことの意味は大きく異なります。審査を通して、自分がなぜ今絵を描いているのか、その必然性をつかんでいる作家に出会えたら嬉しいです。


◆参考:シェル美術賞2021 作品募集ポスター

配信元企業:出光興産株式会社

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