北米での公開3週目を迎えた『劇場版「鬼滅の刃無限列車編』が、前週比50%減の大きな下げ幅で首位から陥落した先週末(5月7日から9日)の北米興収ランキング。2875館で830万ドルを売り上げ1位に初登場を果たしたのは、『アラジン』(19)や「シャーロック・ホームズ」シリーズを手掛け、『ジェントルメン』が現在日本で公開中のガイ・リッチー監督の最新作『Wrath of Man』だ。

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リッチー監督とジェイソン・ステイサムが『リボルバー』(05)以来16年ぶりにタッグを組んだ同作は、フランス映画『ブルー・レクイエム』(03)をリメイクしたアクション・スリラーロサンゼルスを舞台に、息子の復讐を遂げるため現金輸送会社で働く男Hを描きだす。共演にはジョシュ・ハートネットやスコット・イーストウッドアンディガルシアといった顔ぶれが揃う。

批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的な評価の割合は67%とまずまずだが、これはステイサムの作品では批評的にも成功している方に含まれるスコア。また観客からは91%の高い支持を得ており、これはリッチー監督とタッグを組んだ『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)と『スナッチ』(01)に次ぐ、ステイサム作品トップクラスのハイスコア。

コロナ禍を経て映画館が再開されるようになってから、リーアム・ニーソン主演の『ファイナル・プラン』(7月16日日本公開)や『The Marksman』、ボブ・オデンカーク主演の『Mr.ノーバディ』(6月11日日本公開)などのアクション映画が軒並み観客から高い支持を集めており、その流れにステイサムも見事に乗ることができたようだ。

ほかに新作では、『恋人たちの予感』(89)などで知られるコメディアンビリー・クリスタルの20年ぶり(劇場作品では26年ぶり)の監督作『Here Today』が1200館で104万ドルを売り上げ7位にランクイン。また『グローリー/明日への行進』(14)のデヴィッド・オイェロウォが長編監督デビューを果たしたアドベンチャー映画『The Water Man』は、311館で興収18万ドルの鈍いスタートとなったが、批評家からも好意的な評価が目立っている。

文/久保田 和馬

ジェイソン・ステイサム主演『Wrath of Man』が北米初登場1位を獲得/写真:SPLASH/アフロ