ジャニーズ事務所を去った後に「ジャニーズ出身」とか「元ジャニーズ」などいった肩書きで商売する人間は意外と多い。もっとも誰よりもそれを使って重宝させて頂いているのはオレなので、その効果の大きさや影響力は計り知れないことも承知している。

 今から20年ほど前のことだが、ハワイ・オアフ島のワイキキビーチから至近にある「インターナショナル・マーケットプレイス」というオープンエアのショッピング広場にて、驚きの光景を目の当たりにした。「元ジャニーズのお店」と看板を出したハワイアンジュエリーのお店を発見したのだが、この時のオレは「二度見」というのをリアルにやってしまい、この一文で大きな関心を持ってしまい、当然のように店内を探ってみた。

「元ジャニーズのお店」と謳っているわけだから、ジャニーズに在籍していた人物が店のオーナーなのか、スタッフなのだろうと思って意識して周囲を確認するも、それらしい人は見当たらない。だが、よくよく見てみると、店を飾っている色とりどりのジュエリーや宝飾・装飾品と並んで、気になる写真もいくつか貼ってあった。

 近くに寄って見ると、「おお、それらしい」といった写真が複数枚並べられていた。ピン(ひとり)で写っているもの、グループアイドルそのもののポーズもあったが、いずれもモノクロ写真で、かの有名な浅草の老舗ブロマイド店「マルベル堂」で見かけるような、きちんした写真だったのだ。

 しかし、ジャニーズに詳しいオレでもその正体がわからなかった。これは一体誰なのか。これ以上考えても仕方がないと思い、店に居た女性店員に聞いてみた。

「元ジャニーズって書いてあるけど、オーナーのことですか?」と単刀直入に聞くと、「ああ、そう、コレね、コレ!」と重ねて貼られている写真の中から一枚を指して「この人、ジャニーズね」と韓国系らしき店員さんは上手な日本語で返してくれた。その写真とは「その人の現在」を写しているもので、日本の芸能人とのツーショットも何枚か飾ってあった。

 しかし、「ウチの社長ね」「ジャニーズね」と丁寧に何度も教えてくれている店員さんだが......これが誰なのかまったくわからない。そこでオレは単刀直入に「社長さんに会えますか?」と聞いてみたら、「社長は昼間イルヨ」とのこと。なにやら昼夜交代制の勤務で「社長」は昼間の担当らしい。オレがジャニーズに詳しいといってもリアルに知っているのは「たのきん」以降になる。原稿を書くための素材や知識としては誰よりも多く持っている立場のオレが誰だかわからないなんて......と悔しい思いを抱きつつも、翌日には解決するだろうと次第に楽しみになってきた。

 そして翌日の昼間、店に行ってみた。そこには、元ジャニーズと書かれた看板の下にイスを置いて、ぽつんと座っているオジサンがひとり。ダンディなヒゲを纏った端正な顔立ちだが、決してジャニーズ系ではない。

 そこで「あのぉ~、僕もジャニーズなんですが......先輩ですか?」という感じに声をかけたら、「おお、よく来てくれた!」とハワイアンでフレンドリーな笑顔で迎えてくれ、握手からの「キミもジャニーズなの? 良く来たね!」といった対応で、いきなり初対面なのに会話がポンポンと弾んだのだ。さらに男性は、「この前、諸星が来たよ!」とか「西城秀樹と飲んだよ!」といったミーハーな話も披露しながら盛り上がり「今夜、時間ある?」「飲みに行こうよ」と時間を改めて約束するという急展開になった。

 そしてよくよく話を聞けば、男性は「ハイソサエティ」というジャニーズきっての本格派のフルバンドで活躍したメンバーで、さらに昭和の名ドラマ『ケンちゃんシリーズ』(TBS系)にも出演した経歴も持つ、正真正銘本物の元ジャニーズ・元持勲さんだったのだ。

 フォーリーブスから郷ひろみの時代に活躍した元持勲さんの年齢はオレの10歳上だが、元ジャニーズとして盛り上がるのは、やはり「ジャニーさん」の話だった。自分が知らない当時のジャニーズ事務所ジャニーさん、フォーリーブスや郷ひろみらの裏話もよくしてくれて、それはそれで大変オモシロイ話題でネタは尽きなかった。

ーーそれにしても「元ジャニーズのお店」って考えましたねぇ。

「そうだろ? この看板のお陰でキミみたいなジャニーズ少年が声をかけてくれるのよ。それに昔の仲間やファンとも会えるし、なんか買って行ってくれるしね(笑)

 なかなかヤリ手な元持勲さんは、ジャニーズを辞めた後、ギターを片手に単身で渡米して実業家として成功を収めた。お店の経営や観光ガイドや不動産業にも手を広げる一方で、ハワイラジオ局でレギュラー番組を持つMCとして現在も活躍中だ。

「帰ってきたカルチャースタァ☆平本淳也

Profileジャニーズ出身の実業家、作家、投資家。10歳でジャニーズ事務所から芸能界入り、30歳過ぎまでアイ ドルを続け、現在もテレビや雑誌で活躍を続けるなか、月間100万アクセスを獲るカリスマブロガーとしても知られる。22歳のときに物書きデビューして以 来、34冊の書籍を発表。http://ameblo.jp/junya-hiramoto/

Written by 平本淳也

Photo by davidsingam

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