新型コロナウイルスワクチン接種の進み具合が国によって大きく異なるなか、1回目の成人に対する接種率が100%を超えるという「世界記録」を達成したという国が出た。南太平洋の島国、ナウルだ。同国政府観光局が2021年5月13日ツイッターで達成を報告すると、日本でも大きな注目を集めた。

元々、ナウルでは新型コロナ感染者が確認されていない。さらに、国際的な枠組みを通じて十分な量のワクチンが供給され、接種会場の時間を延長するなどの柔軟な運営がスムーズな接種につながったとみられる。

COVAX経由でアストラゼネカ製ワクチンの供給を受ける

ナウル政府の5月11日付の発表によると、1回目の接種は5月7日まで4週間かけて行われ、国内の成人(18歳以上)7392人が接種を受けた。ナウル政府の推計では20年末の成人人口は6812人。全成人の1.08倍の人に接種した計算だ。接種の時間帯は事前に指定されたものの、予約なしの接種も歓迎。住民の勤務時間に合わせる形で、接種会場の運営時間を延長したりしたという。ナウルでは比較的若年層が多いため、それでも接種を受けた人の割合は全人口の63%にとどまる。

ナウルは、国連主導の途上国向けワクチン共同調達の枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」を通じて、英アストラゼネカ製のワクチンの供給を受けている。同社製のワクチンは2回接種することになっており、8週間の間隔が必要。2回目の接種は7月中旬を予定している。

そもそも、ナウルでは新型コロナ感染者数はゼロが続いている。ナウル政府の発表では、

「政府のコロナウイルス対策本部は、この世界記録を非常に喜ばしく思うとともに、ナウル新型コロナがなく(Covidフリー)で安全であり続けるために役割を果たしている、ナウルの全ての皆様に感謝する」

などとして国民の取り組みに感謝している。

近隣国14日+隔離施設5日の水際対策も奏功?

世界的に国境を越えた往来が困難な状況が続くが、ナウルへの入国は特にハードルが高い。まず、ナウルに入国しようとする人は、クック諸島フィジー、仏領ポリネシア、キリバス、マーシャル諸島といったナウルが指定する近隣国・地域に14日以上滞在する必要がある。入港後も「指定住居-移行ステーション」と呼ばれる施設で最低5日間の隔離措置が義務づけられている。こういった煩雑な手続きが水際対策として奏功しているとみられる。

元々の人口が少ないため単純に比較はできないが、比較的接種が進んでいるとされる国々に比べても、ナウルの接種率は飛び抜けて高い。オックスフォード大が運営する統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、少なくとも1回接種を受けた人の割合は5月11日時点でイスラエルが62.70%、英国52.62%。日本は2.91%だ。

J-CASTニュース編集部 工藤博司)

太平洋の島国、ナウルでは新型コロナワクチンの1回目の接種率が100%に達した