突き出た顎と鋭い歯、丸みのあるボールのような体型と餌をおびき寄せるための頭部の誘引突起(イリシウム)を特徴とするチョウチンアンコウは、深さ900メートルにも及ぶ深海に生息している魚だ。
そんな深海魚が、アメリカの南カリフォルニアのビーチに打ち上げられた。ビーチのある州立公園管理局は、南カリフォルニアでは滅多に起こらないこの出来事をSNSでシェアしている。『CBS Los Angeles』などが伝えた。
【深海900メートルに生息するチョウチンアンコウ、ビーチに漂着】
Deep-Sea Pacific Footballfish Washes Up On Crystal Cove Beach
5月7日、カリフォルニア州クリスタルコーブ州立公園管理のラグナビーチ海洋保護区域に、チョウチンアンコウの1種とされる深海魚が打ち上げられた。
この魚は、一般的にパシフィック・フットボールフィッシュと呼ばれるチョウチンアンコウの仲間で、世界に200種以上存在するアンコウの1つだという。
鋭い歯と突き出た顎を持つ大きな口、真っ暗な深海で獲物をおびき寄せるため先端を光らせることのできる「イリシウム」と呼ばれる頭部の突起が特徴だ。
メスのチョウチンアンコウと推測
今回、ビーチに漂着したチョウチンアンコウは、肉厚の体型と長い背びれ、また全体の大きさと頭頂部の突起からメスであると推測した。
発見されたこのメスは、体長が46センチだが、通常メスは60センチほどまで成長。しかし、オスは2.5~4センチほどにしか成長しないという。
クリスタルコーブ州立公園側は、SNSで今回の珍事をシェアし、このように綴っている。
5月7日の朝、南カリフォルニアのビーチで、深海のアンコウの1種が打ち上げられtました。この魚は、頭頂部の突起の特徴から、おそらくチョウチンアンコウの一種、パシフィック・フットボールフィッシュのメスでしょう。
メスはオスよりも体が大きくハイスペックです。オスはメスの鋭い歯に引っ掛かり、繁殖のための「性的寄生虫」として生きるのみです。
実際に、こうした深海のアンコウの仲間を無傷でビーチで見ることは非常に稀です。
この魚が、どのように、またはなぜ岸にたどり着いたのか、理由や経緯は不明ですが、この奇妙で魅力的な魚が南カリフォルニアのビーチで発見されたということは、カリフォルニアの海洋保護区の水面下に潜む海洋生物の多様性を証明しているということです。
私たちの素晴らしい海からは、まだまだ多くの生物が生息しているのだということを学ぶことができると実感させられます。
今後は、州の魚類野生生物局がこのメスを保管し、調査などの分析に役立てていくということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
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