チョコレート菓子の好みの違いを描いた漫画「きのこたけのこ派閥」がSNS上で話題となっています。某お菓子メーカーの“きのこ派”と“たけのこ派”で好みが分かれる夫婦。ある日、妻がどちらも入っている小袋パックを発見し、即購入しますが…という内容で「解せぬ(笑)」「両方おいしい派です」「最後のオチに笑ってしまいました」などの声が上がっています。作者の女性に経緯を聞きました。

身近な人との価値観の違い

 この漫画を描いたのは、えんどう(ペンネーム)さんです。エッセー漫画家として活動しており、インスタグラムでは主に、夫との日常など日々の出来事を描いた漫画を投稿しています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

えんどうさん「日常の面白かった出来事をメモする目的で、エッセー漫画は4、5年ほど前からSNS上に投稿していますが、幼い頃から、身の回りの出来事や気になった人の発言などはスケッチブックによくメモをしていました。人間の記憶には限界があるため、忘れないように描き残しておきたいと思ったのがきっかけです。

SNSに投稿し始めたのは、楽しかった友人との時間を共有したかったからです。その後、たくさん評価を頂けるようになり、身の回りの面白かった出来事や自身の気付きも掲載するようになりました」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。 

えんどうさん「身近な人との価値観の違いに衝撃的な面白さと、私の考えに広がり(学び)があったので描き残しておきたいと思ったからです」

Q.派閥争いでもめたことはありますか。 

えんどうさん「今のところ、日常生活で主人ともめたことはありません。主人以外でも、異なった価値観を学べる機会なのでもめることは少ないかと思います」

Q.なぜ、たけのこバージョンを食べたのか理由は聞いたのでしょうか。 

えんどうさん「今後も主人の価値観を最大限、自由に表現してほしいため、あえて問うことはしませんでした」

Q.ほかに「○○派」で分かれるということはあるのですか。 

えんどうさん「主人との間で『○○派』を貫いているのは今のところ、きのこたけのこだけだと思います。その他では、特にこだわりがなければ相手のこだわりに合わせるということが多いように感じています。

友人との間では、コーヒー・紅茶派、渋い店・カジュアルな店派など、いろいろ分かれることがあるかと思いますが、こちらもこだわりがなかったり、選べたりするなど、状況に応じて対応しているので、これといって争うことはありません」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。 

えんどうさん「派閥はあるにせよ、どちらも食べるという方からのコメントが多かったように思います。『根本にある商品自体は好きな者同士、いがみ合ってはだめ』というコメントを頂き、その通りだなと思いました」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。 

えんどうさん「哲学や禅宗的な考えが好きなので、苦しみや悲嘆などに向き合い、意味付け、切り抜けるきっかけとなるようなものが表現できるといいなあと考えています」

オトナンサー編集部

漫画「きのこたけのこ派閥」のカット=えんどう(jackie.endo)さん提供