Twitterに「Spaceスペース」という新機能が5月3日(米国時間)に登場した。音声を使ってリアルタイムで会話ができるというもので、フォロワーの600人以上いるアカウントが「ホスト」としてそのルームを立ち上げることができる。今年1月末に話題になった音声SNSClubhouseクラブハウス)」と似ているが、それとの違いはなんなのか。実際に使ってみた。

◆自分がホストになってルームを立ち上げる

 Twitterの僕の個人アカウントをホストにしてスペースのルームを立ち上げた。これで僕のフォロワーのタイムラインのいちばん上にそれが表示され、そこから参加できるようになる。参加者は発言のできる「スピーカー」と会話を聞くだけの「リスナー」に分けられる。リスナーとしてなら誰でも参加することは可能だが(ブロックしているアカウント以外)、誰をスピーカーにするかはホストが管理する。

 スピーカーとして、元ド底辺キャバ嬢でライターのカワノアユミさん(Twitter@ayumikawano)を招待し、リスナーのひとりもいない中で彼女とたわいのない世間話をした。しばらくしてそこにリスナーがポツリポツリと参加してくる。その中には事前に誘っていた僕の友人もひとり含まれていた。

リスナー絵文字で感情表現が可能

 ひとりのリスナーが手を振る絵文字を送ってきた。スペースには5つの絵文字が用意されており、リスナーはただ聞くだけでなく、これで簡単な感情表現を送ることも可能になっているのだ。これはクラブハウスにはない機能である。

 しかし、ときおり絵文字は送られてくるものの、ほとんどのリスナーはほんの数分で退出していき、目まぐるしく人が入れ替わる。カワノさんと1時間ほど世間話をし、結局、最後まで残ってくれたリスナーは僕の友人ひとりだけだった。

◆他の人のスペースリスナーとして参加

 リスナーとして他のスペースにも参加してみた。そこはホストを含めてスピーカーが4人、リスナーは約30人とかなり盛り上がっている様子だった。その会話内容はこんな感じである。

スペースクラブハウスの違いってなんだろうね」
「うーん、そうだねー」
「なんだろうね」
「どう違うんだろうね」

 なんてつまらない会話だろうか。僕はほんの数分でそこから退出した。そもそも、喋りのプロでもない人たちの会話を第三者が聞いて面白いわけがないのである。僕とカワノさんの世間話を聞いていたリスナーもこんな気持ちだったのかもしれない。

 また、参加者はスピーカーとしての権利を与えられていなくても、ホストにリクエストを送って承認されればスピーカーとして参加することができるようになる。しかし、これが友人だったらいいが、そうでない場合、かなりハードルが高いのではないか。僕はよく知らない人といきなり会話を盛り上げられるほどのコミュ力を持ち合わせていないし、他の多くの人もおそらく同じだろう。よく知らない人からいきなりスピーカーリクエストが送られてきたら、怖くてブロックしてしまうかもしれない

クラブハウスの二の舞に?

 今回、実際にスペースを使ってみて、その面白さはいまいちよくわからなかった。それに、世間に音声でなにか伝えたいのならいつでも視聴できるYouTubeのほうが便利だし、友人と話したいのならLINE通話でこと足りる。

 クラブハウスとの違いも、リスナー絵文字を送れることと、クローズドルームを作れないことくらいである(細かい違いは他にもいろいろあるのだろうが)。そしてそのクラブハウスは日本に上陸した当初は大きな話題を集めはしたが、そのブームは一瞬にして去ってしまった。スペースもその二の舞になり、すぐに「そう言えば、Twitterにそんな機能もあったなあ……」なんて言われるようになってしまう予感しかしないのである。

<取材・文/小林ていじ>

【小林ていじ】
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeで「ていじの世界散歩」を検索。

Twitterの新機能「Space(スペース)」でルームを立ち上げてみた