新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活様式は大きく変わった。集団感染のリスクを下げるため、「密」を避けて行動することが呼びかけられて1年が経つ。政府や各企業は在宅ワークを推奨し、社内や取引先との「オンライン会議」はすっかり定着した。

一方で、いつの間にか聞く機会が減ったのが「オンライン飲み」だ。1度目の緊急事態宣言が出た1年前と比べると、すっかりブームが去ってしまった印象だが、その理由はどこにあるのだろうか。

「オンラインだと会話の感覚がつかめない」

わざわざ説明する必要もないだろうが、オンライン飲みは、Zoomなどのビデオ通話ツールを通じ、オンライン上で飲み会を開くこと。「終電を気にしなくていい」「自分でお酒やつまみを買うので居酒屋より安上がりで懐にも優しい」と好評だったはずだが、すっかり廃れてしまった印象だ。

実際、新型コロナの感染拡大を受けて、国土交通省が20年8月に約1万3000人を対象に行った生活様式の変化に関する意識調査でも、オンライン飲みを続けたい意向を持つ人は全体の2割以下にとどまっていた。

オンライン飲み会ストレスを感じていた人もいるようだ。

40代のエンジニアの男性も「オンライン飲み」から卒業した一人。昨年の夏ごろまでは週に1、2回のペースで開催していたが、今年は全くやっていないという。なぜだろうか。

「やはり直接顔を突き合わせて飲むのと感覚が違うんですよね。一人が話すとみんなが注目するし、声が重なってしまうことが多々ある。

普段は気にしなかったんですが、居酒屋とかで3,4人で飲むと、『あっ、今からこの人が話すな』っていう空気感が分かるじゃないですか。オンラインだとその感覚がつかめないので、声が重なる機会が多い。なかなか会話が進まずにストレスになって自然消滅してしまいましたね」

「単純に飽きてしまいました」

30代の主婦も昨年は子育ての息抜きで毎日のようにママ友オンライン飲み会をしていたが、今は2か月に1度のペースだという。

この主婦は「最初のころは深い時間までやって寝不足なるほどでした。でも何度もやっているうちに単純に飽きてしまいましたね」としたうえで、オンライン飲みのデメリットについて、

「お店で話しているわけではないので終電もないかわりに、お開きにするタイミングもなかなか難しい。楽しそうに他の人達が話している時に眠くても、『ここで私は終わりにしていいかな?』ともなかなか言えなくて...」

と苦笑いを浮かべる。

すっかり廃れてしまった「オンライン飲み会」だが、裏を返せば直接会って食事やお酒を飲む楽しさは何にも代え難いということだろう。

新型コロナの感染が収束し、人数を気にせずに居酒屋で飲める日常が1日も早く戻ってくることを願うばかりだ。

「オンライン飲み会離れ」は深刻?(画像はイメージ)