まさに“全員離婚家族”!となった金曜ドラマ『リコカツ』(TBS系金曜よる10時~)の第5話が、14日放送された。咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)は離婚、離婚と言いながらも、なんだかんだで最後には2人の距離が近づいて行ったのが、前回までのパターン。けれど、今回のラストは逆に超シリアス。しかも一ノ瀬三尉(田辺桃子)の爆弾攻撃に「筑前煮女」とSNSでは大騒ぎ。ほかにも「素直になれ」「胸痛くなる」「見に覚えあるシーンがありすぎ」などSNSでは多くの声が寄せられている。



まずは前回の続きから。離婚はせず、もう一度最初からやり直そうとする咲と紘一。「これからが本当の新婚生活だ」と格好つけたのに、紘一はソファから転げ落ちて咲に覆いかぶさってしまう。


咲も目をつぶって、ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ(キスまだかなぁ)、ドキドキ、カチン……マグカップがぶつかり、「乾杯」(笑)。キスぐらいでうろたえるなぁ~と言いたいところだが、甘々なシーン、ごちそうさま。


紘一の実家では、紘一の母・薫(宮崎美子)に料理を教えてほしいという咲に二度見する紘一。「紘一さんが好きなお母さんの味、覚えたいんです」という咲に目をパチパチさせて嬉しさが隠せない紘一が可愛すぎる。完全に2人でやり直す気満々のようだ。咲の元彼・貴也(高橋光臣)が間違えて持っていってしまった離婚届を紘一に返したときも、笑いが抑えきれなかった貴也に「やり直すことにしました」と闘志むき出し。貴也のほうは、やっぱり咲に未練タラタラなんだろうか? ちなみに永山と高橋は16年前のドラマ『WATER BOYS 2005夏』(フジテレビ)で共演歴あり。永山が主演を務め、高橋はシンクロで一緒に泳ぐ生徒役だった。


一方、小説家水無月連(白洲迅)に振り回されっぱなしの咲。文芸部に異動したばかりで咲も必死なのだ。家に帰って薫に作ってもらった料理を食べ、ソファで伸びをする咲と紘一を上からのアングルで激写。「美味しかったぁ」「満たされたぁ~」「もっとほかの言い方あるでしょ」「満たされたから満たされた」。このときの紘一の動きが変過ぎる。おなかをパンパン叩きながら、片方の手を伸ばしてクイッ、クイッ! かと思いきや、そのまま疲れて寝てしまった咲を優しくお姫様抱っこしてベッドまで運ぶ姿は王子様っぽい。優しくベッドに寝かして、毛布をかける紘一に響くのは心臓の音。ドキドキ、ドキドキ、再びキスチャーンス。チュー顔する紘一だが、直前になってやめてしまうのが、ウブな紘一らしい。それでも優しく「おやすみ」と言って、仕事で疲れた咲をねぎらう紘一だった。


はい、2人の幸せな“新婚生活”はここまで。「これからが本当の新婚生活だ」というセリフはフラグだったのである。連に新しい小説を書いてもらうため、咲は紘一との生活よりも仕事を優先させていく。そんな中、百里基地まで片道1時間半かかる紘一は渋滞に巻き込まれたことで、代わりに任務についた谷(柴田勇貴)がケガを負ってしまう。救難隊隊員として自負のある紘一にとって、やはり家から基地まで車で1時間半かかる距離は遠すぎるのだ。仲間をケガさせてしまった……そう気落ちして帰ってみれば、妻の咲は夜通し朝まで連と電話中。「キミに話したいことがある」。しかし咲は電話をやめる気はない。すると咲から携帯電話を取り上げ「今何時だと思ってる。夜通し電話するのは非常識だ!!!」と電話を切ってしまう。わかる、わかるよ、紘一の言いたいこと。でも、仕事の電話を取り上げて切ってしまうのは、見ている人によって意見が別れるところだろう。夫の話は聞くべき。それとも人の電話を勝手に切るのは言語道断という人もいるかもしれない。咲と紘一は……。


「先生がやっともう一度チャンスくれるって言ってくれたのに、台無しじゃない」
「キミこそ仕事を家に持ち込むな!最近、キミの顔をまともに見ていない」
「仕方ないじゃない。私だって文芸部に異動したばっかりで慣れない仕事に必死なんだから」
「だからといって家庭をほったらかしにしていいのか?」
「ほったらかしになんかしてない」
「だったらキミの夫の話をきいてくれ、今すぐ!」


そうして水戸の実家に引っ越すつもりだという紘一は「一緒にきてくれないか」と咲に告げる。「私に仕事を辞めろってこと?」。完全断裂状態になってしまって落ち込む咲の前に現れたのは“筑前煮女”、もとい一ノ瀬三尉。


そこで彼女の口から谷がケガした経緯、以前から自宅が遠いことで異動の話が出ていたことを聞かされる。さらに「別れたほうがいいんじゃないですか?」って、職場の上司が部下の妻に1人で会いにくることさえ、とんでもないことなのに離婚を勧めるなんて、どんだけメンタル強いんだよ!一ノ瀬三尉。しかも「あなたは自分の仕事を捨てて、緒原一曹のために尽くすことはできますか?」と問われ何も言えなくなってしまう咲だった。


帰宅した咲は一ノ瀬三尉から聞かされたことを紘一に告げると「どうして相談してくれなかったの?私たち夫婦なんだよ」「妻なのに。私はあなたの妻なのに」。今まで離婚前提で付き合っていたからこそ、許せない部分も許せることができた。どうせ別れるのだから…と。しかし、新たに夫婦として暮らしていくと決めたとき、お互いどうしても許容できない部分があることに改めて気づいたのだ。


「仕事を辞めて家庭に入ってもらうわけにはいかないか?」
「じゃぁ、あなたが仕事を辞めて家庭に入ってもらうわけにはいかないの?」
「それは無理だ」
「どうして?」
「自分はメディックという仕事を誇りに思ってる。この仕事以外、考えられない」
「私も同じだよ。私も自分の仕事に誇りを持ってる。辞めたくない。あなたが仕事を辞めたくないのと同じようにね」


この会話、めちゃくちゃリアル。編集部員と自衛隊員というシチュエーションはめったになさそうだが、同じような境遇の夫婦や恋人は少なくないだろう。相手のことは好きだけど、仕事も好き。もちろん、彼氏や彼女を選ぶ人もいるだろう。逆に仕事を選ぶ人もいるはずだ。だが、両方とも選ぶことが出来ない紘一は「別れるということだな」と結論を出す。「夫婦は一緒に暮らすものだ。それは絶対だ」。そして「やはりキミには最初から元カレのほうがあっていた」「どうして今さらそんなこと言うのよ!」「どうしていいか分からないんだ!」。この最後の言葉が紘一の本音だろう。「本当は君についてきてほしい。だがそれでは、君の大切な仕事を奪ってしまう」と紘一も、矛盾した答えを出せないことは分かっているのだ。


「やっぱり、私たち離婚するしかないのかな?」
「そうだな」


ここで流れる米津玄師による主題歌『Pale Blue』。いつもキュンキュンして聴いていたのに今回は歌詞が切なく胸に突き刺さる。咲の顔を見ることができずに離婚届を渡す紘一。そして紘一の父、正(酒匂芳)と咲のパパン、武史(平田満)も離婚届にサインを書き、ついに咲も離婚届に判を押してエンディングを迎えた。今週も咲と紘一にキュンキュンして終わる予定だったのに…。二人はこのまま離婚してしまうのか。次回第6話に注目だ。


文:今 泉





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