世界一の軍事大国が「米国」であることに異論のある人はいないだろう。そんな米国にはライバルもまた少なくないと言えるが、中国メディアの百家号はこのほど、米国の地位を脅かす存在が実は「身近なところにいる」と主張する記事を掲載した。

 中国には「高処不勝寒」という言葉がある。「高い場所は耐えられない寒さがある」と訳すことができ、「高いところにいると落ちた時の打撃は大きい」という意味合いだ。記事は「高い地位にいる人や国にとって、恐ろしいのは追い上げられることだ」と主張し、「高処不勝寒」という言葉は米国にぴったり当てはまるという。

 続けて、米国の地位を脅かす国として真っ先に思い浮かぶのは、急激な経済成長と軍事力の拡大を続ける中国だが、記事は「米国には隠れたライバルがいる」と主張し、それは「日本」だ。と論じた。続けて、日本は戦後「70年にわたって世界を欺いてきた」と主張し、世界各国の援助と、もともと持っていた工業力を生かして急速に復興し、アジアの強国の地位を取り戻したと説明した。
 
 そして、経済力をつけた日本は軍事力の増強に乗り出し、空母や核兵器を保有できないという制限があるなかで「うまく隙を見つけて準空母」を保有するようになったと主張した。これはいずも型とひゅうが型のヘリコプター搭載護衛艦のことを指しているようだが、「実質的な空母なのに日本は護衛艦だと言い張っている」と批判している。

 それで、日本のこうした軍事面での発展は、米国にとって「面倒なことになる」のは必至であり、日本の野心は世界の知るところであって、日本がこのまま軍事面での発展を続ければ「米国にとって悲惨な結果を招くことになるだろう」と主張した。

 米国の目下のライバルは中国であることは周知の事実だが、記事ではそのことには一切触れていない。しかも、日本が米国の脅威だという根拠も一切示していない。日本が防衛力を強化するのはそれだけ脅威があるためだ。記事の主張からは何とかして日本を米国のライバルに仕立て上げることで、米国の目を中国からそらしたいという願望が伝わって来る。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

米国の地位を脅かす存在、それは「米国の身近なところにいる」=中国