新型コロナによるリモート研修など、5月に入ってもなかなか顔を合わせる機会が少ない今年の新入社員達。今年はコロナ禍だからなのか「モンスター社員は少ない」なんて噂もあるが、「むしろ、コロナ禍モンスター新人が増えましたよ……」と頭を抱えるのは、キャバクラスナックなど夜の街で働く女性達。コロナ禍で増加したといわれる「モンスター新人キャバ・スナック嬢」について話を聞いてみた。

やる気のない腰掛けキャバ嬢は席についても喋らない

 まず、話を聞いたのは関東某所のキャバクラに勤務する千夏さん(仮名・28歳)。千夏さんが勤務するキャバクラ20代~30代後半まで幅広い年齢のキャストが勤務している。そんな中で千夏さんが出会ったモンスター新人嬢とは……。

「この1年間でコロナで会社が倒産したり、派遣切りされたキャバ嬢が一気に増えました。このご時世、再就職するのもなかなか難しいのでキャストが増えることは別に構わないのですが、問題はあまりにもやる気がないキャストが多いってこと。

 ずっと昼の仕事をしていた彼女達からすれば、水商売なんて再就職するまでの腰掛けとしか思っていなくて、キャバクラにくる男なんて……って思ってるんでしょう。それもまぁ分かるのですが、お客さんを相手にしないってどうなの?って。それでもお客さんからお金を頂くわけだから、せめて楽しませようという気持ちは持ってほしい。接客に慣れないのは仕方ないけれど、席についても全然喋らない子もいますね」

 キャバクラに行くのはキャバ嬢達と飲んで話がしたいから。それなのに席についてほとんど喋らない嬢だったら、いくら可愛くても許せるものではないだろう。

◆唐突に不幸話をして客もキャストも意気消沈

 そんな千夏さん、モンスターとまではいかないが、新人嬢に接客に困惑どころかガックリと肩を落としたという。

「私のお客さんでヘルプキャストがみんな、席につきたがるようなすごく優しいお客さんがいるんです。ヘルプキャストにもドリンクを出してくれるので、新人キャストは最初にそのお客さんの席についてもらうことが多いです。

 でも、先日入った新人キャストがその席についたとき、『コロナで元々、働いていた会社が潰れて……』と不幸話をしていたそうなんです。そりゃ、ツラい気持ちは分かるけれど、私のお客さんの前でそんな暗い話をされても……。そのお客さん、普段なら最低でも2セットはいてくれるのですが、その話を聞いてすっかり意気消沈しちゃって。1時間も経たないうちにお会計をして帰っていきましたね」

 コロナで自粛生活が強いられる中、景気も上がらず暗澹たる日々。そんな日々を忘れてたまの息抜きに……とやって来たキャバクラでまさか現実に戻されるとは……。暗い話を聞かされるとは客もたまったものではないだろう。

アプリじゃ稼げない!と、パパ活目的で入店

 「仕事ができないなんてまだカワイイほうですよ」と怒り心頭なのは、関西の某キャバクラに勤務するユイさん(仮名・25歳)だ。

コロナ禍でお金欲しさにキャバクラで働こうと思うのは全然いいと思うんです。でも、最悪なのはパパ活のパパ探しのために働きに来ている子。今、パパ活の相場が大暴落しているそうでパパ活アプリとかじゃ全然稼げないそうなんです。それで、キャバクラにパパを探しに来る子が大量に流れてきていて……。

 フリー客で探すのは勝手にしてくれって感じですが、人の客を誘うからムカつくんですよね。この前、私が休みの日に常連のお客さんが来たことがあったんです。黒服は私の客だと言って新人キャストをつけたのですが、その新人が私の客にパパ活話を持ちかけたんです。後日、お客さんからその話を聞いて、その新人を問いただそうとしたらすでに退店した後。新人だから水商売のルールも分かっちゃいないし、いいパパがいないと分かると店を転々とするそうで……まさにモンスターです」

 コロナ禍で増加しているパパ活女子はキャバクラ業界にも蔓延しているのだそう。筆者が聞いた話によると、最近はパパ活目的嬢の情報が回って面接の時点で不採用にすることもあるという。

◆泥酔して御乱行。闇営業がバレる!?

 なかなかモンスターすぎる新人キャバ嬢を聞いてきたが、スナックも負けていない。コロナ禍でのモンスター新人嬢を語ってくれたのは都内のスナックでママを務めるユカリさん(仮名・41歳)。

「たくさんお酒を飲んでくれる子はいいのですが、新人だとペース配分が分かっていないので酔っ払う子が多いんですよね。酔っていても楽しくお客さんと喋ってくれるのはいいのですが、カラオケマイクを離さなかったりお客さんにベタベタするのはちょっと……。特に今はコロナ禍なので余計にですよね。

 それに酔っ払いすぎてあまり大声で笑ったりするのも、外に声が響くので困るんですよね。今だと、こっそり営業していることもあるので尚更。普段なら酔っぱらいの元気な子でも大歓迎なんですが、コロナ禍だとそんな子でもモンスターに思えてしまいますね……」

 夜の街のモンスター新人嬢は前々からもいたが、コロナ禍モンスターの種類も変わってきているのかもしれない。どちらにせよ、元々いたキャストやママ達にとっては迷惑な話ではある。

〈取材・文/カワノアユミ〉

【カワノアユミ】
東京都出身。20代歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。アジア日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。ツイッターアカウント@ayumikawano

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