無給労働にうんざりな人の声

無給労働にうんざりな人の声

「なぜ人は仕事をするのか」といえば、一番は「お金を稼ぐため」だろう。ほかにいくら聞こえのいい言葉を並べても、仕事はボランティアではない。どのような仕事であれ、無給で働きたい人はいないはずだ。しかし、”サービス残業”という名の無給労働を強いてくる職場は、いまだにある。

宮城県の30代男性(企画・マーケティング・経営・管理職/正社員/年収300万円)は、前職の介護関係の仕事を「1か月で辞めた」と明かす。男性は退職理由について、

「始業30分前出勤(無給)を命じられた。それだけでなく、非効率的な規律も多かった。仕事が『地雷避けゲーム』になり、心身の健康を損ねた」

と綴る。また、退職後も源泉徴収票の発行をめぐってトラブルになり「最終的に税務署に行政指導を入れてもらった」と打ち明けた。従業員にタダ働きを強要する会社は、さまざまな面でまともではないのだ。(文:大渕ともみ)

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「1日3~4時間のサービス残業をさせられました」

宮城県の50代女性(素材・化学・食品・医薬品技術職/パート/年収150万円)は、某研究機関の補助の仕事をしていたが、無給労働を求められたため2週間で退職した。女性は「契約上は6時間勤務なのに、1日3~4時間のサービス残業をさせられました」と憤る。

「上司は『残業してくれとは言ってない』と主張しますが、明らかに作業量が多かったです。机の上には事務処理の指示が山のようにあり、とても時間内には終わりませんでした。それなのに給与は6時間分、1日あたり約6000円」

女性は昼休みや帰宅後も仕事に追われ、「睡眠時間を削って働きました」と振り返る。プライベートを犠牲にして働いた女性だが、上司の対応は酷いものだった。

「私が『体力が続くか自信がない』ともらすと、上司は『これから実験を教えるので、続けられないなら辞めてほしい』と言いました。だから、その日のうちに退職を決めました」

女性は退職後、「体力的にも精神的にも限界で、1週間寝込みました」と語る。早めに辞めて正解だったかもしれない。

「入社手続きに3時間もかかった。しかもその時間は無給」

都内の40代女性(サービス・販売・外食/パート/年収200万円)は、以前カフェでの接客の仕事をしていたが、わずか1日で辞めてしまった。

「入社手続きに3時間もかかった。しかもその時間は無給。事前に書類を渡して、入社日に提出すれば10分で終わるのに」

金払いの悪さはもとより、店側の要領の悪い対応が女性をますます苛立たせた。女性は前職への不満を次々に列挙する。

「注文・調理・料理の提供・片付け、すべての流れが悪い。理科の実験みたいなコーヒー容器
を使っていて、トレーに乗せて運ぶのが怖い。使いかけの食材があちこちにあって、在庫確認が終わらない。賞味期限切れは当たり前な状況」

やはり、払うべきものを払わない職場は、ほかの部分にも問題があるようだ。違和感を覚えたら、早めの退職を検討すべきかもしれない。

※キャリコネニュースでは引き続き仕事を即効で辞めた人のほか【緊急募集】三度目の緊急事態宣言、あなたが思うことや現在困っていることを教えてください共働き・片働きの不満などのアンケートを募集しています。

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