むやみやたらに付ければいいってもんじゃない! 後付けタワーバーやブレースバーの「落とし穴」

ハンドリングに効果のあるパーツだが……

 ボディ全体で応力を受け止めるモノコックボディは、応力外皮構造ともいわれ、「モノ」=「単一の」、「コック」=「卵などの殻」の意味で、できるだけボディに穴が開いていない方が強度も剛性も高くできる。

 しかし実際の乗用車のボディは、窓もたくさん開いているし、エンジンルームもトランクもスカスカのセミモノコック構造に……。

 そこで、その大きな開口部に、とくにサスペンションからの大きな入力を受け止める部分に、つっかえ棒のような補強バーを加えることで、ボディを補強し、ステアリングの切れ味をよくしようというのが、タワーバーやブレースバー(ロアアームバー)などの役割。

タワーバーや補強ブレースの意外な落とし穴

 これらの補強バーは、レースラリーなどの競技車両でも定番で、一部のスポーツカーでは新車のときから標準装着されているものもあり、その効果は折り紙付き。

 だからハンドリングチューンの一環で、タワーバーやロアアームバーなどを装着するのは理にかなっている。実際、これらのパーツによって、クルマの挙動がわかりやすくなり、コーナリング中の修正舵が減った例は多い。

 ただ一方で、これらの補強はいいことばかりでもない。

 今のクルマは、コンピュータシミュレーション、FEM構造解析などを駆使して、あらかじめ入力に対し、逃げる部分、しなる部分などを計算して、全体のバランスを考えて設計されている。補強バーで補強すると、このバランスが崩れ、乗り心地が変わったり、ロール量が増えたりすることもある。

タワーバーや補強ブレースの意外な落とし穴

 もちろん、パーツの分だけ重量も増すし、ロアアームバーなどは最低地上高にも影響がある。また、雨の日や雪の日などは、ボディを補強したことで、滑り出しがピーキーになることも!

 さらに、万が一クラッシュした場合、衝撃が補強バーを伝わって、ボディの反対側にもダメージが拡散する可能性もある。

 タワーバーやロアアームバーは比較的安価で、ボルトオンでの装着が可能なので、魅力あるパーツのひとつだが、ただポンと付ければいいというわけではなく、効果とバランス、材質や構造、取り付け方法などをよく考慮して、クルマごとのデータをしっかり持っているメーカーブランドのものを厳選して選ぶようにしよう。

タワーバーや補強ブレースの意外な落とし穴

タワーバーや補強ブレースの意外な落とし穴

タワーバーや補強ブレースの意外な落とし穴

タワーバーや補強ブレースの意外な落とし穴

むやみやたらに付ければいいってもんじゃない! 後付けタワーバーやブレースバーの「落とし穴」