世界中で新型コロナワクチン接種が進むなか、各国の接種率には開きが出ている。中国は世界でもいち早くワクチンが完成し、積極的に「ワクチン外交」を行っている国だ。しかし、日本などいくつかの先進国は「製薬大国」であるにもかかわらずワクチン開発で後れを取った。中国メディアの百家号は12日、「製薬大国の日本がワクチンを作れなかった理由」を分析する記事を掲載した。スイスフランスも同様だと伝えている。

 記事はまず、日本には世界的に信用の高い大手製薬会社が多く、あるランキングでは上位50社のうち10社も占めていたと紹介した。スイスフランスも、日本ほど多くはないが大手製薬会社がいくつもあり、これらの国はいずれも「製薬大国だ」と伝えている。

 しかし意外なことに、これら製薬大国はワクチン開発で米中に後れを取った。記事は、中国は2021年5月の時点ですでにワクチンを4種類も開発していると自賛。米国も同じく4種類あるそうだ。なぜ製薬大国の日本では、開発がなかなか進まなかったのだろう。

 記事は、日本ではワクチン開発に「政府の支持が得られなかった」と指摘している。日本人はもともとワクチン接種に慎重な傾向がある。これまで予防接種後に死亡や後遺症があったことはよく知られており、訴訟も起きていたためワクチン開発にあまり積極的になれなかったと分析した。またフランスの場合は、製薬会社の問題点を指摘したドキュメンタリー映画が不信感をあおり、開発の足を引っ張ったと主張している。

 とはいえ、中国のワクチン開発は早かったものの、その有効性を疑問視する声も出ている。中国政府は国内のワクチン接種を積極的に進めているが、副反応などへの心配や、コロナの抑え込みに成功していることもあり、ワクチン接種の必要性をあまり感じていない人も多く、思うように接種は進んでいないようだ。ワクチンを巡っては中国も克服すべき問題があると言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

製薬大国の日本やフランス、ワクチン開発で後れを取ったワケ=中国