クープ・ドゥ・フランス決勝、モナコvsパリ・サンジェルマン(PSG)が19日にスタッド・ド・フランスで行われ、2-0で勝利したPSGが2年連続14度目の優勝を果たした。

1990-91シーズン以来、通算6度目の優勝を目指すモナコは、準決勝で4部のリュミリー・ヴァリエールを5-1で退けて決勝進出。一方、2年連続通算14度目のタイトルを目指すPSGは、モンペリエとのPK戦を制してファイナルの舞台に駒を進めた。

PSGはこの一戦に向けて出場停止のキンペンベ、ネイマール、負傷のヴェッラッティの3選手の代役にケーラー、ダニーロ、イカルディを起用した。

リーグ戦でシーズンダブルを決めているモナコはこの試合で変則的な[4-5-1]の布陣を採用。これに対してPSGは普段通りの[4-3-3]でスタートした。

序盤からPSGがボールを握る展開となったが、守備時には最終ラインが5枚や6枚となるモナコの堅守を前になかなか攻め切れない。ネイマール不在の中で局面打開が期待されるムバッペもシディベ、アギラールとスピードのあるサイドバックが縦に並ぶ相手の守備に手を焼く。

それでも、17分に相手CKのロングカウンターからムバッペが圧巻のドリブル突破で敵陣深くまで運ぶプレーを見せて流れを引き寄せると、相手のミスを突いて先制に成功した。

19分、モナコリスタートの場面でGKマイェッキからショートパスを受けたDFディザジが足元を確認しなかったことでコントロールが流れると、これにプレッシャーをかけたムバッペがボール奪取。そして、ボックス中央でドフリーのイカルディにプレゼントパスを送ると、アルゼンチン人FWが難なく無人のゴールへ流し込んだ。

前半半ばから終盤にかけてはビハインドを追うモナコが攻勢に転じると、積極的に背後を狙うフォラントがGKケイロル・ナバスに難しい対応を強いるなど、幾度かチャンスを作りかける。一方、前半のうちに追加点を奪いたいPSGは33分、ボックス右でディ・マリアの落としを受けたフロレンツィが右足の強烈なシュートを枠に飛ばすが、これはGKの好守に阻まれた。

結局、PSGの1点リードで折り返した試合は、後半も中盤での潰し合いが目立ち、互いになかなかフィニッシュの数を増やせないクローズな展開が続く。

ただ、アギラールを下げてアタッカータイプのディアタをハーフタイム明けに投入したモナコが、より押し込む形を作り出す。51分にはカイオ・エンリケの斜めのスルーパスに反応したベン・イェデルがゴール左でGKナバスと一対一の絶好機を迎えるが、シュートを防がれた上に抜け出しの時点でオフサイドの判定に。

早い時間帯に追いつきたいコバチ監督は60分、フォファナ、ベン・イェデルを下げてヨベティッチ、ジェウソン・マルティンスを同時投入。攻撃的な[3-4-3]の布陣でゴールをこじ開けにかかる。70分にはジェウソン・マルティンスがクロスバー直撃のシュート、ディアタが枠内シュートを放つなど良い形の攻めを見せた。

一方、後半に入って守勢が続くPSGはフロレンツィ、パレデス、イカルディと疲れの見えた選手を下げてダグバ、エレーラ、ケアンとフレッシュな選手の投入で試合を締めにかかる。

すると、81分には直前にシュートをバーに当てて決定機を逸していたムバッペがチームを勝利に導くエースの仕事を果たした。カウンターから持ち上がってペナルティアーク付近に持ち込んだディ・マリアのスルーパスに完璧な斜めのランニングで抜け出したフランス代表FWが冷静にGKとの一対一を制した。

この2点目で完全に逃げ切り態勢に入ったPSGはマルキーニョス、守護神ナバスを中心に最後まで集中した守備でクリーンシートを達成。リーグ戦でシーズンダブルを喫した相手にリベンジを果たしたPSGが2年連続14度目の優勝を果たすと共に、リーグ・アン最終節での逆転優勝に向けて弾みを付けた。

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