チコちゃん

21日に放送された『チコちゃんに叱られる!!』(NHK)で扱われたテーマのひとつ、「アパートとマンションの違いって何?」が注目を集めている。


■借りるのがアパート、買うのがマンション

木造はアパート、鉄筋はマンションといった違いや広さによって区分けがあるとも思われがちだが、チコちゃんによると「借りるのがアパート、買うのがマンション」だという。

日本では、アパートもマンションも「1つの建物に複数住まいが入っている集合住宅」といった意味で使われている。どちらも英語が由来で「Apartmen(アパート)が集合住宅」「Mansion(マンション)が大邸宅」である。


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■日本初のアパートは…

明治時代、大都市に人口が集中するようになった結果、横ではなく縦に階を重ねるアパートというスタイルの住居が誕生した。日本初のアパートは、1910年に東京・上野の恩賜公園の側に建てられた「上野倶楽部」だという。

5階建てで63室を構える木造アパートで、当時としては異例の高さを誇っていた。これを機にアパートという言葉が使われるようになったが、それでもアパートは珍しい住居スタイルだった。

そんなときに起こったのが関東大震災。この地震によって、多くの住宅がなくなった。住宅不足を解決するために、水道・水洗トイレなどの最新設備を備えたアパートを同潤会という機関が建設。その後、日本中でアパートの建設ラッシュが起こった。

■マンションが生まれたきっかけは…

アパート建設が日本中で進んだものの、第二次世界大戦が勃発し、再び多くの人が家を失う。戦後復興に向かう中で、都心に人口が集中。ここで、住宅公団が動いて大規模な集団住宅が建設された。そんな中、1953年には1つの建物に部屋をそれぞれ別の人が買う分譲の集合住宅が誕生。

マンションが生まれたての時期に分譲集合住宅の共有スペースで問題が頻発した。私物の自転車を置いて他の住民の通行を妨げたり、立ち話で騒音問題を引き起こしたりといったトラブルが発生。大家という存在がいない分譲集合住宅でのトラブルを誰が解決するかルールがきまっていなかった。


■マンション以外はアパート

1967年の区分所得法で管理組合を作ることが決まり、2000年のマンション管理適正化法でトラブルを専門家に相談できる制度が作られ、このタイミングでマンションの定義が決定。

マンションの定義は「1棟に2人以上の所有者がいる分譲集合住宅」となり、それ以外はすべてアパートと称されるようになった。ちなみに、法律上マンションに属する建物であっても「アパート」と名付けたり、その反対のパターンでも大丈夫だという。

普段呼ぶときにはマンション・アパートの差を感じることはないだろうが、本当の意味を知っておくと使い分けができるようになるだろう。

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(文/しらべぇ編集部・Aomi

「アパートとマンションの違い」をチコちゃんが解説 集合住宅の歴史が関係していた