ラ・リーガ最終節、レアル・マドリーvsビジャレアルが22日にアルフレド・ディ・ステファノで行われ、ホームのマドリーが2-1で勝利した。

首位のアトレティコ・マドリーを2ポイント差で追う2位のマドリー(勝ち点81)は前節、難所サン・マメスでのアスレティック・ビルバオとのタフなゲームで1-0の勝利。首位浮上を逃すも、逆転での連覇の可能性を残して最終節を迎えた。

逆転でのヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得を目指す7位のビジャレアル(勝ち点58)をホームで迎え撃った一戦に向けて昨季王者は先発2人を変更。ナチョとロドリゴに代わってヴァラン、アセンシオが復帰。また、ベンチには頼れるカピタンのセルヒオ・ラモスが戻ってきた。

一方、26日にマンチェスター・ユナイテッドとのEL決勝を控えるビジャレアルは、決勝への準備かGKをアセンホからルジに入れ替えたものの、それ以外は現状のベストメンバーを起用。2トップはジェラール・モレノとセビージャ戦でハットトリックのバッカが並んだ。

互いに重要な一戦ということもあり静かな試合の入りとなる。球際のプレー強度は高いものの、睨み合いの展開が続く中でファーストシュートがスコアに結びついた。

20分、ビジャレアルの右サイドを起点とした攻めからボックス手前右でDFミリトンのクリアボールを拾ったジェラール・モレノが浮き球のパスをゴール前に供給。これを味方のバッカと重なりながらもうまく左足でコントロールしたジェレミ・ピノが良い形でシュート態勢を作り、GKクルトワの手を弾く右足のシュートを流し込んだ。

逆転優勝に向けて勝ち点3が必須の中でビハインドを背負ったマドリーはすぐさま反撃を開始。失点直後には波状攻撃でチャンスを作りかけるが、相手の身体を張った守備に撥ね返される。さらに、34分にはボックス左で仕掛けたモドリッチに絶好機も、ここはボールタッチが乱れてコースを消されてしまい、右足のシュートは枠の左に外れた。

前半終盤にかけては左サイドを起点にビジャレアルが幾度か良い仕掛けを見せるが、バッカと周囲の呼吸が合わず、決定機まではあと一歩という場面が目立つ。対するマドリーは前半終了間際にセットプレーの流れからモドリッチのクロスをカゼミロが頭で合わすが、GK正面を突いた。

互いに選手交代なしで臨んだ後半も一進一退の攻防が続く。後半に入って徐々に攻撃にリズムが生まれ始めたマドリーは55分、ボックス手前右でカゼミロが上げた浮き球のクロスをゴール前のベンゼマが頭で合せてゴールネットを揺らす。だが、VARのレビューの結果、わずかながらオフサイドラインを越えており、ゴールは認められず。

この直後にアセンシオ、ヴィニシウスを下げてイスコロドリゴを投入して両ウイングを入れ替えたマドリーはここから攻勢を強めていく。66分には前線からのプレッシャーからショートカウンターに転じてボックス左のベンゼマに絶好機も、ここはシュートを枠の左に外してしまう。

その後、68分にオドリオソラ、ミゲルの両サイドバックに代えてマルセロ、ナチョ、カゼミロに代えてマリアーノと一気に3枚替えを敢行したマドリーは変則的な[3-5-2]の布陣でゴールをこじ開けにかかる。

一方、後半に入って守勢が続くビジャレアルは続けて守備的な交代カードを切って逃げ切りを意識した試合運びを見せる。

後半半ばから終盤にかけてもビジャレアルの堅守を前に攻めあぐねる状況が続いたマドリーだったが、最後の最後に昨季王者の意地を見せる。

まずは87分、右サイドでのスローインの流れからボックス中央でロドリゴから足元にパスを受けたベンゼマが冷静に右足のシュートをゴール右上隅の完璧なコースに突き刺し、同点に追いつく。

さらに、試合終了間際の92分にはカウンターからボックス左まで持ち込んだベンゼマからのクロスを、ボックス中央のモドリッチが胸トラップから左足のボレーシュートを放つと、相手DFにディフレクトしたボールがゴール右隅に決まり、土壇場で試合を引っくり返した。

そして、難敵ビジャレアル相手に会心の逆転勝利を飾ったマドリーだったが、同時刻開催の試合でアトレティコが勝利したことで、ラ・リーガ連覇の夢が潰えることになった。

また、敵地で逆転負けとなったビジャレアルは5位のレアル・ソシエダ、6位のベティスにEL出場権を譲ることとなり、現時点ではUEFAヨーロッパカンファレンスリーグに回ることに。ただ、4日後に行われるEL決勝を勝てば、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場が可能となる。

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