軍艦島世界遺産に登録されてからというもの、かつて朝鮮人に対する強制連行があったと主張する反日左翼の日本人や韓国人在日韓国・朝鮮人などが「暴虐の歴史」と軍艦島を抱き合わせて既成事実化しようとしている。

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 だが、この連載で繰り返し述べているように、軍艦島には強制連行も強制労働もなかった。反日勢力による歴史の捏造と歪曲で日本を貶める行為は決して許されることではない。今回は、軍艦島に関する朝鮮人強制連行の真偽を確かめたい。

※過去の連載記事は以下をご覧ください。

・1回目「石炭を掘るためだけに存在した軍艦島が語る未来」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64178)
・2回目「今も色鮮やかによみがえる軍艦島での日常生活」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64267)
・3回目「『地獄の島』の汚名を着せられようとしている軍艦島」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64576)
・4回目「廃墟と化した軍艦島はなぜ世界遺産に登録されたのか」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64695)
・5回目「軍艦島の『世界遺産化計画』につながったある出会い」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64702)
・6回目「『無謀』と言われた軍艦島の世界遺産登録、その裏側」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64970)
・7回目「軍艦島の世界遺産登録を妨害した韓国の誹謗中傷」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65089

『炭坑の真実と栄光 朝鮮人強制連行の虚構』には、筆者の深町純亮氏が三菱高島炭坑に勤めていた時の記録が自信の体験として掲載されている。高島は軍艦島こと端島に近い炭坑の島で、強制連行を主張する書籍『精算されない昭和』(平成12年、林えいだい、朴慶植、高崎宗司)でも取り上げられている。高島の状況を知ることで、軍艦島の状態も推測できると考える。

 既に書いているように、軍艦島には戦時中、三軒の遊郭があり、うち一軒は朝鮮人専用だった(「地獄の島」の汚名を着せられようとしている軍艦島)。朝鮮人を奴隷のごとく使役していたなら、そもそも専用の遊郭などなかったはずだ。奴隷専用の遊郭など聞いたことがない。

 また、炭坑の最も危険な現場で、朝鮮人を働かせたという主張があるが、これもまた根本的におかしい。「炭坑の真実と栄光 朝鮮人強制連行の虚構」によると、炭坑で最も危険かつ作業場は、地底を掘り進む最先端の“切刃”(きりは)と呼ばれるところで、熟練者でないと採炭作業全体に支障をきたすため未熟者を配置することはあり得ない。炭坑で労働した者なら誰でも知っていることだという。

 そもそも、朝鮮人を最も危険な作業に当たらせるなら、戦場に送っていただろう。現に中国では、兵士が民間人に銃を持たせて、後ろから銃剣で突いて日本兵に対する戦闘を強いた例が多数あった。戦場と国内労働のいずれが危険かは言うまでもないだろう。

 当時、炭坑の仕事は厳しく危険な労働だったが、給料が良かったので、その高給を求めた炭坑労働者がとても多かった。巡査の初任給が月額45円、事務系の大卒初任給が75円だった当時、炭坑労働者は賃金と手当て合わせた月額は150~180円だった。

強制連行説の嘘を裏付ける証言

 炭坑は、戦前はもちろん、戦後の日本の復興を支えた誇るべき産業だった。炭坑の町は栄えたし、軍艦島もあらゆる物資と施設が揃った自己完結が可能な町だった。軍艦島朝鮮人は大勢いたし、元島民は日本人と同じく接していた。

 個人的な差別はあったかもしれないが、少なくとも大半の日本人と朝鮮人が互いに苦楽を供にしたと考えるのが自然である。朝鮮に帰る人々が名残を惜しんで涙を流したという記録も残っている。

 私の義理の叔父、井上秀士の証言がある(軍艦島の真実より)。

 井上秀士は2016年12月31日に87歳で亡くなった。翌年1月6日に強制連行の虚構について証言する予定があり、亡くなる寸前までテーブルに端島の記録や韓国の嘘を示す記事などを並べていた。最期まで反論する準備をしていたのである。その一部を紹介する。

「自分たちの小さい時は、風呂は全部、共同風呂で潮風呂〔原注:海水を沸かした風呂〕でしたね。そこに全部、一緒に入りよったよね。自分たちの小学校時代の便所は、山手に全部あって、ただくり抜いてあるだけですよ。それで、韓国の人の入っておるところも一緒やった、全部。そういう生活やけん、何も差別しとらん。結局、終戦になって団体で帰したですもんね、樺太から応援に来た人や、中国から来た人は、全部、団平船(だんべいぶね:石炭などの運搬船)っていう大きな船ですよ。あなた方、知っとるかしらんけど、団平船とかいう昔は大きな荷物ば、大きな船がなかったでしょうが、それば積んだ太か船ですたい、漕ぎ船で。それを2艘か3艘引いて、韓国の人も端島小学校に全部集めて、日にちは別にして、朝6時から集合して、全部見送ったとですよ。それで、結局、私に言わせたら、ああいうこと全然なかった。というのが、このお別れというのはものすごく悲しかとさ、船でお別れする時は。中ノ島に船が入るまで、帰られんとですよ、帰りたかっても。手ばこう振るでしょうが、相手もまだ振りよるでしょう。それがようやく見えんようになって家に帰るというか」

「移住するつもりで、名前ば変えたりなんかしよったですから、読みきらんけん、張又順とか女はいよったけど。子供の場合、私たちは学校済んだら一緒に遊んだりなんかしよったですよ、ずっと。それで、さっき言うた高等2年までは女の人も同じ事務所に就職してさ。そういう、当たり前ですね、関係ない。結局、そういうふうに学校関係では、いじめるとかなんとか、いじめるというより、向こうの人が体格のよかとよ。肥えてたし。力も強かです。それで、もう相撲でも何でも、けんかでも一番強かですよ、勉強はできんけど」

 食うものも食えなかったと言う韓国人の証言とは矛盾がある。朝鮮人に対する警官による暴行についても、「軍艦島の真実」で以下のように述べている。

──警官が朝鮮半島出身者に暴行したという証言がありますが、端島に警察官は何人いましたか。

「(端島の派出所は)1つで、巡査2人、巡査部長が1人おった。それ以外はなかとやけんさ」

──警察官による暴行はありましたか。

「そいけんね、それがでたらめっていうのはね、警察官は坑内のことはせんとですよ、絶対。保安監督の監督所がするとやけん、坑外のことは警察がするけど、第一それが間違うとるですたいね」

 長崎弁で当時のことを話しているのを私も直接叔父から聞いている。
韓国で伝えられていることが正しくないと、わかるだろう。

強制連行は論壇では既に“終わった”話

 韓国や中国、一部の在日朝鮮・韓国人、反日日本人の扇動や左寄りメディアの偏向・歪曲報道で日本の罪が叫ばれてきた。しかし、実際にはなんらの証拠も事実もなく、冤罪だということが渡辺昇一氏、桜井よし子氏、黄文雄氏、小林よしのり氏などの研究や検証で幾度となく明らかにされている。

 かつて日本の政治家が中国や韓国の不当な言いがかりに謝罪をしたことで、それが既成事実の如く一人歩きし始め、我が国の歴史教育に他国の干渉を許すという世界に類例がない「近隣諸国条項」まで登場した。近隣諸国条項とは、教科書の検定基準に定められた条項で、アジア諸国との間の歴史について国際理解と国際強調の見地から配慮を求めたものだ。

 強制連行や従軍慰安婦などといった事実無根の冤罪が歴史教科書や参考書に記載され、子供たちに自虐史観を植え付けている。いまだ事実を知らず、間違った歴史を信じている人は少なくない。

 一方、韓国では「日本は悪」という主張が無条件で受け入れられ、反対意見は攻撃を受ける。数年前、あるソウル大学の教授が慰安婦問題に関連して、「日本に強制されたわけではなく、普通の戦地売春婦だった」と学術的な意見を述べたが、マスコミの総攻撃を受け、慰安婦養老院で土下座を強いられた。

 韓国で“親日派”のレッテル社会的抹殺に等しい。このような国との友好は疑問である。互いを理解し合うか、少なくとも互いの歴史観を尊重する寛容なくして真の友好はあり得ない。

 韓国・朝鮮人や反日日本人が日韓併合時代について日本を非難する事象はほとんどが虚構だといっても過言ではない。

 慰安婦問題は、吉田清二の著作「私の戦争犯罪 従軍慰安婦」が発端だった。彼が慰安婦を強制的に集めたと述べた韓国の済州島の住民は、そのような事実はなかったと断言し、むしろ日本人の卑しい商売根性だと吉田を非難した。

 吉田自身が後になって創作だったと告白したが、「日本人が朝鮮半島従軍慰安婦にするため女性を強制連行した」という創作話が韓国で一人歩きして、宮澤喜一元首相や河野洋平官房長官が謝罪した。また中韓から多額の献金を受けている米国の下院議員、マイクホンダ氏も日本に対する非難決議などという時代錯誤の活動を展開した。

反日プロパガンダに終止符を

 日韓基本条約の締結前、10年以上にわたって様々な問題が議論されたが、強制連行や慰安婦が議題になることは一切なかった。条約締結に向けた日韓国交正常化交渉は反日を柱とした李承晩時代の1952年に始まった。戦後、すなわち日本統治が終わって間もない頃で、韓国政府が認識していたなら必ず取り上げたはずである、

 他にも創始改名を強要した。日本は朝鮮半島からすべてを奪ったなど、日韓併合時に暴虐の限りを尽くしたことになっているが、証拠があるわけではない。しかし、中国や韓国では実際にそのような反日教育・プロパガンダが今日も行なわれている。強制連行も反日プロパガンダの産物の一つに過ぎない。

 正しい歴史を韓国が決めるという法案(歴史歪曲防止法制定案)が2021年5月に韓国与党・共に民主党から発議された。日帝支配下で発生した犯罪を称賛すれば懲役刑などで処罰するという言語道断の法案である。

 最近、NHKが有識者の意見を仰ぐ可能性を示した。昭和30年1955年)にNHKが放送した軍艦島こと端島のドキュメンタリー番組「緑なき島」で、一般社団法人「産業遺産国民会議」と「真実の歴史を追求する端島島民の会」が事実の改竄が行われたとしてNHKを告発し、国会でも取り上げられた。

 NHKは参院の委員会で有識者の検証に委ねる考えを示したが、有識者はNHKが選定し、元島民を加えるという話はない。元島民か、少なくとも元島民の代弁者を加えるべきだろう。当時を知る人の“証言”を求めない有識者会議は我田引水になりかねない。

 今のままでは、軍艦島の虚構が正されることはなく、元島民の証言は埋もれていく。真実を知る人々の高齢化が進む今、1日も早い正しい解決を図ってもらいたいと切に願う。

[もっと知りたい!続けてお読みください →]  石炭を掘るためだけに存在した軍艦島が語る未来

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##画像 歴史認識に翻弄されている軍艦島(写真:HEMIS/アフロ)