TOKYO MX地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。5月17日(月)放送の「フラトピ!」では、入管法改正案について深掘りしました。

キャスターの堀潤も注視する入管法改正案

日本に入国する外国人に必要な資格や手続きなどを定めた「出入国管理及び難民認定法(入管法)」。その改正案に記載されている、外国人の入管施設収容と母国への送還に関するルールが問題となっています。改正案を巡っては、与党・自民党が採決を求め与野党協議が行われましたが、交渉は決裂。そして18日、自民党は今国会での成立を断念しています。

入管法を巡る経緯を振り返ってみると、2010年の技能実習制度などの変更に伴い入管法を改正し、その結果2010年代後半に外国人の長期収容者が増加。その後、2019年6月に長崎県の入管施設でナイジェリア人男性が死亡。2021年に入ると2月19日に入管法の改正案を閣議決定するものの、3月6日愛知県の入管施設でスリランカ人女性が死亡。そして、4月9日にはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が改正案に「重大な懸念を生じさせる側面がある」と表明しています。

キャスターの堀潤は、入管施設に収監された外国人は体調不良を訴えても治療を受けさせてもらえず、時に命を落としたケースもあり、指摘の声が上がっていたことに触れます。

堀は、過去に品川の入管施設を取材したことがあり、そこは東京拘置所と同じような構図の建物で、一度収監されてしまうといつ出られるのかわからないという実態があると言います。彼らは難民申請を何度しても全て払い退けられてしまうなか、家族を養うために働かなければならないところ逮捕され、いつ出所できるのかもわかりません。さらには、入管施設内の状況は全く外に出ることがなかったこともあり、改善が求められていました。

◆難民に対して国が、国民ができること

今回の入管法改正案の主なポイントは2つ。1つは、現状、難民申請は原則何度でもできますが、改正案では原則2回に制限。3回以上で送還の対象になり、拒否すれば処罰が下ります。もう1つは「監理措置」の新設。これは監理人を置くことで外国人の入管施設収容を一時的に解くということですが、監理人には報告義務、さらには勾留者が逃亡すると罰則もあり、監理人の負担が問題になっています。

この改正案に対し、堀は「要は長期勾留されている状況はおかしいと指摘され、なるべく早く帰ってもらうような法律にするというふうに進んでいる」と言い、「シリアトルコミャンマーの状況を見ても、(難民申請者が母国に)戻ったらどうなるのか。そこにズレがある」と危惧します。

岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さんは、今回の一件で初めて入管法や難民の現状を知ったそうで、そもそも日本は島国だけに欧米諸国に比べ、「自分も含め、(日本人は)難民や外国人との関係に慣れていないところがあったのでは」と言います。そして、他国と比較、参考にしながら「慎重に議論するべき」とも。

堀は入管法、難民について取材するなかで、「日本の状況が整っていない」と実感。「人もスキルも情報源も整っていない。法改正をする前に難民を受け入れるための設備、制度が先だと思う」と訴えます。

世界各国の難民認定率を見てみると、日本は0.4%とかなり低い状況で、「これには理由がある」と堀。それは日本が厳しすぎるから。

難民には「灰色の利益(グレーゾーン)」というものが与えられるそうで、そもそも難民は身の危険を感じ、命からがら逃げてくることが多く、そうなると身分を証明するものや弾圧を受けた理由、証拠などを持ち合わせないことも少なくありません。もし、それらが必要となると難民の大半は認定を受けることができなくなるため、申請人に灰色の利益を与えることが頻繁に必要になるとされています。

しかし、日本はそこがまだまだ厳しいようで、堀は「一度入国してもらって、難民の方々がある程度暮らせるような環境を物理的にも用意すべき。やりようはまだまだある」と主張します。

一方、鈴木さんは「国がしっかりと決めなければいけない」としながら、国民が唯一できることとして「現状を知った上で国に対して『しっかり考えるべき』と言い続けること」と言います。また、最後に堀は「難民申請が通らずにいる家族のなかには、主人が収監され、子どもが学校で『難民=犯罪者』といじめられることもある。『違うんです』と、『私たちがここ(日本)にきた背景などを聞いてもらえるのであれば、いくらでも説明する』と話していた」と難民者の悲痛な思いを明かし、「市民社会がまずやることを知り、凝り固まったイメージを一度フラットにし、そこから何をすればいいのか、みなさんと考えたい」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter@morning_flag

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