「まさかこんな展開になるとは…」。当初、中村倫也が柔和な笑顔で「珈琲いかがでしょう?」と問いかける映像を観て、月曜の夜に癒しのドラマが始まったと思った方も少なくないだろう。しかしドラマ後半、中村演じる主人公・青山の過去が明らかになるにつれ、暴力シーンは増え、ショッキングな展開へ。青山はかつて自分が在籍していた暴力団三代目ぼっちゃん”(宮世琉弥)に捕えられ、おまけに青山の珈琲のファンである垣根(夏帆)と青山をアニキと慕うぺい(磯村勇斗)まで巻き込まれているという事態。ではこのドラマ、癒しのドラマではなかったのか…?“幸せを運ぶ移動珈琲物語”では…?



青山(中村倫也)の言葉を少し思い出してみたい。ドラマ前半での青山のセリフ。


「全員に通じるものって案外つまらないものかもしれないなぁ。だれかにとっての特別であればそれがいいです。」(第1話


「例えあれをもっていなかったとしても、しがみついて何かをできる人は、それに匹敵する何かを得る事ができるのではないでしょうか。」(第2話)


「関わっても関わんなくても同じなんだったら、関わっておいた方がいいんじゃねーかって思うようになっただけだ。」(第4話)


そして、たこ(光石研)の言葉。


「ゴミでも丁寧に磨けば大抵のものはなんとかなる」(第6話)


「できっこないって思ってるうちは、そりゃ無理だよ。だけど、ちょっとした加減で、変わってくるんだよ。珈琲の味も人間も。」(第6話)


どの言葉も、もともと何かを持っていなくても、マイナスからの始まりであっても、ほんの少しの心がけや感じ方の違いで、未来は変えられる。幸せは感じられる。でもその幸せは、決して特別なことではなくて、いつもは入らないカレー屋で食べるカレーが美味しかったり、「根っこがちゃんとしてないとダメなんだ」と気づいたり、壊れていたエスプレッソマシーンが直って部屋を片付けたり、ありのままを受け入れたり、今ある幸せを再確認したり、大切な人の死を受け入れたり、好きな珈琲を飲んで穏やかなひと時を過ごしたり…。そんな、ささやかな変化を大事に伝えてくれているように感じる。青山の過去がダークであればあるほど、過去の絶望が深ければ深いほど、青山の珈琲を飲んで、「私にとって青山さんの珈琲は特別な珈琲です!」という垣根の言葉は輝く。


いよいよ、今夜最終回。じっくり丁寧に味わいたい。


【画像】最終話カットを見る(全27枚)


▶最終話ゲストコメントはこちら

▶最終話あらすじを読みたい方はこちら


▼先週の第7話についてはこちら(第1話を思い出す…)

中村倫也主演『珈琲いかがでしょう』壮絶な過去の回収にゾクッ、何層も重なる味わい



最終話ゲスト コメント


■市毛良枝(たこの妻・幸子 役)

世界観ができているので、はてどうすれば?と思いましたが、レギュラーキャストの皆さんの雰囲気で自然になじむことができ、やや不思議な幸子さんの人生を、おかげさまでなんとか演じることができました。


■宮野陽名(マコ 役)

マコはこの物語の中で1番視聴者に近い存在だと思います。青山さんの珈琲に対する想いを聞き、マコとしてぐっとくるものがあり、「このお話は忘れたくない」と思いました。そして、青山さんの移動珈琲に出会えてよかったです。


■前田旺志郎(若いたこ 役)

たこさんは言葉遣いが独特で、普段自分が話す言葉とは全く違う言葉を使います。そのギャップの中での表現に最初は苦戦しましたが、演じるうちに徐々に楽しめるようになりました。光石研さんが演じるたこさんに繋がるよう精一杯やりましたので、皆さま是非観てください。


森迫永依(若い幸子 役)

ドラマ化されると聞きすごく楽しみにしていた作品なので、出演の機会を頂けて、しかも大事な最終話なんて、本当に光栄です。さっちゃんとタコさんの素敵な温かい想い出をしっかりと皆さんにも伝えたいと思いながら前田さんと演じさせていただきました。幸せな2人の気持ちが伝われば嬉しいです。


最終話あらすじ

「暴力珈琲」「ポップ珈琲」

ぼっちゃん(宮世琉弥)が執拗に青山一(中村倫也)を追っていたのは、信頼していた青山の裏切り行為に対する報復だった。垣根志麻(夏帆)やぺい(磯村勇斗)を巻き込んでまで追い詰めようとするが、暴力ですべてを制するようになったぼっちゃんに、青山は「そのやり方で手に入れたコーヒー牛乳はおいしかったか」と問いかける。

ぼっちゃんの脳裏に蘇ったのは、同級生を脅して好きなだけコーヒー牛乳が飲めるようになったのに、なぜかまったく味がしなかった頃の記憶…。


さらにこれまで沈黙を貫いていた夕張(鶴見辰吾)が、見かねて裏切りの真相を語り始める。

青山が大金と共に姿を消した裏には、息子を思う二代目(内田朝陽)とのある固い約束があった。

時を経て事実を知ったぼっちゃんは…。


ついに最終回。青山は「奥さんと同じ墓に入りたい」と願っていた、たこ(光石研)の願いを叶えることはできるのか?


【画像】最終話カットをもっと見る(全27枚)


■『珈琲いかがでしょう』
最終話 5月24日(月) 23:06~23:55

©「珈琲いかがでしょう」製作委員会

ドワンゴジェイピーnews