素直に判定してみよう。



ダイソーの新業態として3/26渋谷にオープンした「Standard Products



 3月26日ダイソーの新業態として東京・渋谷にオープンした「Standard Products by DAISO」(スタンダードプロダクツ バイ ダイソー、以下SP)が話題になっていますね。コンセプトは、「ちょっといいのが、ずっといい。」。膨大な100均アイテムを扱ってきたダイソーが、“新しいスタンダードのあり方”を提案していくようです。果たして、実際に驚きや感動、喜びがどれほどあるのでしょうか?


 ということで、日頃から100均ショップのキッチン用品をリサーチする立場として厳しく判定してみることに。同フロアにはダイソーもあるため、じっくり比較しながら検証してみることにしました。


◆結論から言えば、真の名品は3つ



 SPにおけるキッチン用品の価格帯は、税込3301100円。食器、料理器具、水筒、消耗品など実に多くのアイテムが揃っていますが、一貫しているのが「シンプルで華美すぎないこと」。


 じっくりリサーチした上で、結論から言うとすれば、全体的なイメージとしては、無印よりも安く、イケアよりもコンサバであるということ。そして、アタリハズレは確実にあるということでした。ということで、まずはアタリの商品3つをご紹介してみたいと思います。


◆①ランチボックス/330



ランチボックス(1段、500mL、ネイビー)330



 はじめにご紹介したいのが、100円商品では到達できないような上質ランチボックス。直感として「スマートでおしゃれ!」と好印象を抱きますが、機能面も充実。中に箸とドレッシングケースがついていて、すべてひとまとまりになる設計になっています。


 また、フタがドーム型になっているので、開いた時におかずがつぶれにくくなっているため、ビジュアル劣化が起こりにくくなっています。早速お弁当を作ってみました。



お弁当を作ってみるとこんな感じ



 ドレッシングケースは漬物を入れるのにも便利です。また、仕切りがしっかりしていて、高さがあるので、丼ものをおいしそうに詰めることができます。今後は別カラーの登場も期待したいところです。


◆②エプロン類/550円



 4色展開でシンプルエプロンが3型(H型、ギャルソン、ワーク)揃い、値段は550円。このジェンダーレスシンプルさとクオリティは秀逸です。


 そばにいた女性2人が「スタバっぽくて超おしゃれだよねー!」と盛り上がっていましたが、確かに納得してしまいました。汚れが目立たないカラーバリエーションなので、ある程度長く使えそうです。


◆③ソフトクーラバック330



ソフトクーラバック(10L・ブルー330



 これまで、コンパクトサイズで肩掛けができ、しかも保冷効果が高くて洗練されたデザインの保冷バッグは多くありませんでした。


 こちらの保冷バッグはしっかり3層構造なのに重さはストレスになりません。しかも外側ポケットは小物入れとしても便利ですから、普段の買い物用としてこれ一つで大活躍しそう。テイクアウトの弁当類を入れたり、スイーツ類をスマートに運んだりと、300円とは思えない機能性に脱帽してしまいます。


◆SPの残念アイテムとは?
 さあここまでがアタリの話。低価格を維持しながら良いもの作りを追求してきたダイソーだからこそできる名品ですよね。しかしなかには「もう一歩!」と思う残念なアイテムも目立ちました。


 今回私が残念に感じたアイテムは、あくまで個人的評価によるものですから、参考程度に留めて、自分にとっての“真のスタンダード”を追求していただけたらと思います。そんな思いをこめて、私が“もう一歩”と感じたのは次の3つでした。


◆①食器類/330~770円



300円の汁椀は指名買いしたくなるか?100均にも優秀な汁椀はたくさん存在する



 SPの食器類は、シンプルデザインで飽きのこないもの、陶器の名産地が作るアイテムなどが並んでいますが、全体的にぽってり大ぶりな印象が強く残りました。もちろん好みが分かれるところですが、器好きが欲しくなるようなアイテムは少ないように感じます。


 シンプルで丈夫でありながら機能的な食器といえば無印良品が思い浮かびますが、SPのシンプル食器には“こなれた感じ”がないため、無印がやや価格が上だとしても、長く使うという視点では無印の勝利かもしれません。



厚みや大雑把なカタチが気になるアカシア食器



 アカシア食器も、無骨なフォルムがどうもしっくり来ません。スプーンフォークの形状も同様で、豪快な料理を作るのであれば登場のチャンスはあるのかもしれません。その他ガラス製の耐熱皿も大きなサイズが主流で、大家族でもない限り小回りが効かなそう。


 そして、もう一つ私がお伝えしたいのが、これらは決して安くないということ。むしろダイソー200円アイテム300アイテムのほうが優れたアイテムが揃っているように感じてしまったのです。


 例えば、ダイソー200円のスキレットグリルプレートシンプルデザインでありながら、レンジオーブンにも対応していて、コンパクトサイズ。一人暮らしであっても日常において頻度よく活躍しそうです。



例えばベーコンソーセージを乗せてそのままトースターで加熱して食卓へ



◆②ひのきまな板/550円~



ひのきまな板 550円~



 続いては、まな板。SPでは“高級品”としてヒノキ製のまな板が登場しています。ヒノキは耐久性が高く水にも強いのが特徴ですが、特有の香りは好みが分かれるところでしょう。


 小サイズ500円、大サイズ1000円ですが、板の厚みが大してないので、プロが使うような本格さはありません。ヒノキ製をリーズナブルに試してみたい! という明確な目的がある人には良いかもしれませんが、メンテナンスを気にせずに、もっと気軽にオシャレ感重視で選ぶなら、200~300円で売られているダイソーのバンブー製やポリプロピレン製をチェックする価値はありそうです。



こちらはダイソー商品。こんなにおしゃれなカッティングボード300



◆③ランチョンマット330



 SPでもっともがっかりしたのが、ランチョンマットでした。モダンとは言い難い、どこか垢抜けない色味、そして裏側に撥水性がなく水拭きしにくい素材感が残念すぎて、これが100円だとしても私は選びません。


 一方、ダイソー100円アイテムを見てみると、驚くほどスタイリッシュモダンな商品を発見することができます。



こちらはダイソー。水拭きしやすい撥水性マットや鮮やかな色味のものまで大充実



 高級ブランドに引けを取らないマットもあり、実際私は料理撮影でダイソーランチョンマットを使うことがあります。また、先日行ったデパートの高級鍋を展示していたマットダイソー製でした。こうやって比較してみるとダイソーの素晴らしさを再実感できるので、これはこれで良いのかもしれませんね。


 SPの商品をじっくり見ていくと、自分に合ったキッチン用品の理想像が見えてくるかもしれません。良いもの悪いものは使う人の価値観で決まりますから、みなさまそれぞれにとって、真の名品探しのヒントになれば幸いです。


<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ


【スギアカツキ】食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram@sugiakatsukiTwitter@sugiakatsuki12