6月に東京と大阪で上演される舞台『スマホを落としただけなのに』に出演する早川聖来(乃木坂46)。昨年の初演に引き続き、事件に巻き込まれる被害者・稲葉麻美役を演じる早川聖来に本作への思いを聞いた。

【写真】舞台『スマホを落としただけなのに』の再演について、思いを語る早川聖来(乃木坂46)

――昨年3月に上演された初演は、新型コロナウイルスの影響で千秋楽を迎える前に中止となりました。今回、そのリベンジといった再演が決定。今の率直な思いを聞かせください。

早川聖来】まずは、やっぱりうれしいという気持ちです。前回の中止から約1年というタイミングで、こんなに早く再演できるとは思っていなかったですから。皆さんからの「観たい」という声がなかったら再演の話もなかったかもしれないので、感謝の気持ちでいっぱいです。

――前回、中止になったときの気持ちを振り返って教えていただけますか?

早川聖来】途中で終わってしまった悔しさ、もっとたくさんの方に観て頂きたかったなという気持ちでいっぱいでした。でも、1回中止になってしまったことで千秋楽まで上演できるのが当たり前ではないことを改めて実感して、それ以降、どんなことにも今まで以上に真摯に向き合おうと思うようになりました。

あの経験があったからこそ、気づくこともたくさんあって、何ごとにも前向きに取り組めるようになった気がします。

――演じるのは、事件に巻き込まれてしまう謎多き女性・稲葉麻美。初演に引き続いて同じ役となりますが、今回はどんなふうに演じたいと思っていますか?

早川聖来】麻美は秘密があるというか、感情の動きが難しい役どころだったので、まず彼女がどういう人間なんだろうと考えて役作りをしたのですが、初演のときは強さや弱さを0か100でやっていたなと。彼女が秘密を抱えていることで臆病になったり、弱さを見せたりする部分では100%弱く、逆に気の強さを出すときは100%強くという感じで。

でも、『ボーダーレス』(ひかりTV)というドラマに出演したときに「人間味が一番出るのは、振り切ったときじゃなくて、その間のときの気持ちだよ」と教えていただいたんです。うれしいけど、悲しい。笑ってるけど泣いてる。その中間に一番人間味が出るから観ている人も感情が揺さぶられる。だから、そこをもっと出したほうがいいって。

なので、今回はそういう細かい感情の動きも大切に演じたいなと思います。もちろん強弱をつける部分は全力で。稲葉麻美というひとりの女性の人生を、舞台上で深く歩めたらいいなと思います。

――ちなみに、早川さんも秘密がたくさんあるタイプですか?

早川聖来】私は何でも喋っちゃうし、言いたくなっちゃうタイプなので、秘密はあまりないほうですね。そういう部分では稲葉麻美とは真逆かも。でも、全く秘密がないわけではないですよ(笑)。

――何かひとつ、言えるような些細な秘密を教えていただけますか?

早川聖来】えー!人に言えるものとなると難しい(笑)。秘密だから、人に言ったら秘密じゃなくなっちゃう(笑)。

――たしかに、言ってしまったら秘密ではないですね(笑)。では、最近「充実しているな」と思うことはありますか?

早川聖来】私、スマホのスケジュールを埋めるのが好きなんです。最近、ありがたいことにたくさんお仕事をさせていただいていて。日々、埋まっていくのが幸せだな、充実しているなと思います。

――最後にメッセージをお願いします。

早川聖来】初演のときは、舞台やお芝居の経験が豊富な方ばかりのなかで、すごくたくさん勉強させていただいて。実は、この舞台をきっかけに挑戦することが怖くなくなったんです。今回の再演も失敗を恐れずに挑戦し続けたいと思うので、また新しい自分を見ていただけたらうれしいです。

取材・文=野木原晃一

昨年の初演に引き続き、舞台『スマホを落としただけなのに』に出演する早川聖来(乃木坂46)