少し前に、ドーナツは穴があいているからゼロカロリーとい謎理論が流行した。アーモンドも数字のゼロに近い形をしているからゼロカロリー、なんてことはないのだけれど、当たらずも遠からずな事実が判明した。
アーモンドには抗酸化作用を促すビタミンE、ビタミンB2、食物繊維、不飽和脂肪酸、ミネラルなどが小さな1粒にぎゅっと詰まっており、美肌効果・アンチエイジング効果・生活習慣病の予防など、さまざまな健康効果があるとされる。
だが気になるのは脂質たっぷりで、高カロリーなんじゃないかってことだ。いくら体に良いと言っても、太ってしまったり、ニキビができたら逆効果なのでは?考える人も多いだろう。
だがカナダ、トロント大学の研究者によると、アーモンドのカロリーはカロリーではないのだそうだ。少なくともラベルに表示されているカロリーとは同じではないという。
『Mayo Clinic Proceedings』(4月11日付)に掲載された研究では、男女22名に1ヶ月の間、アーモンドなど決められた食材を食べるという実験に参加してもらった。
メニューは米国立コレステロール教育プログラムが定める低脂肪・低コレステロール食が基本となっている。ただし1日にアーモンド75グラム摂取するグループ、それと等価のカロリーのマフィンを摂取するグループ、あるいはそれら半々を摂取するグループに分けられた。
アーモンドのカロリーの2割は吸収されていないことが判明
そのうえで彼らの便を検査してみると、大部分はアーモンドの脂肪に由来するカロリーの2割が吸収されていないことがわかったのだ。摂取した食べ物全体から考えると、アーモンドを食べたグループは吸収されたエネルギーが2パーセント少ないという結果だったそうだ。
仮にこの実験と同量のアーモンドも含めて1日に2000~3000キロカロリーの食事をとったとすると、「アトウォーター係数(食物の利用可能なエネルギーを計算する係数)」から算出されるカロリー、すなわち食品ラベルに記載されている数値よりも40~60キロカロリー少ないということになる。
大した数字に思えないかもしれないが、1年を通じれば2.9キロ体重が減るくらいの削減量なのだという。実際、参加者の中で体重が増えた人はおらず、中には減っていた人までいたそうだ。
適量のアーモンドってどれくらい?
研究グループによると、コレステロールの過剰摂取は心血管疾患のリスクを高めるという。その予防としてアーモンドの摂取が推奨されるのに、太ると誤解されていると彼らは嘆く。アーモンドには不飽和脂肪酸が含まれており、高血圧や糖尿病などの恐れがある悪玉コレステロールを減らしてくれる。 また動脈硬化の進行を食い止めるビタミンE、動脈硬化の予防に重要なカルシウムも含まれている。
ではどれくらいの量を食べればよいのか?
アメリカの研究によると、毎日42.5g(約32粒)のアーモンド摂取で、心血管疾患リスクが改善できるそうだ。32粒は結構な量なので、1日20~25粒を目安に食べてみると良いかもしれない。塩分が気になる人は素焼きタイプが良いだろう。
とは言えどんな食品も食べ過ぎると害となるので注意が必要だ。
私はローソンのトリュフミックスナッツがたまらなく好きなので、毎朝ヨーグルトと一緒に食べている。本当は無塩の方がよさそうなんだけど、ちょっと塩っけがあったほうがおいしいのよね。で、その効果がでてるのかどうかはちょっとよくわからない。
References:Is a Calorie a Calorie? Not Always, When It Comes to Almonds/ written by hiroching / edited by parumo
追記:(2021/05/28)本文を一部訂正して再送します。
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