(C)AKB48

 AKB48最後の1期生、峯岸みなみが28日、AKB48劇場で卒業公演を行い、15年半にも及んだアイドル人生に終止符を打った。

 この日の幕開けは、チームKメンバーの長友彩海・武藤小麟・安田叶を引き連れての「渚のCHERRY」。アイドル全開のパフォーマンスを披露すると、他のチームKメンバーも次々と登場し「RESET」「ダルイカンジ」をパフォーマンス。倉野尾成美・横山結衣ら7人とは「Beginner」を披露。息の合ったダンスパフォーマンスで劇場はオープニングから熱気に包まれた。

 峯岸は「私といえばこの曲だなと思っていただけるような、劇場だからこそできることを詰め込みました。最高の思い出になったらいいなと思います。今日はみなさん最後までよろしくお願いします!」と挨拶。

 横山結衣は序盤から涙腺を崩壊させて「みぃさんとはいろいろな思い出があるんですけど、みぃさんの卒業公演の舞台に立つことができて幸せです。今日は最後までみぃさんの素敵な笑顔を目に焼きつけていたいと思います」とコメント。

 込山は、込山チームKができる前に高橋みなみを交えてチームKについて峯岸に相談をしたというエピソードを披露し、チームKメンバーで峯岸の思い出を振り返った。

(C)AKB48

 ユニットパートは峯岸・宮崎美穂向井地美音による「恋愛禁止条例」でスタートし、長きにわたり共にAKB48を牽引してきた大家志津香柏木由紀と共に「純愛のクレッシェンド」を。

 初代峯岸チーム4時代から峯岸を慕う岡田奈々・村山彩希とは「思い出以上」でクールなパフォーマンスを魅せた。

 また中盤では、先日の卒業コンサートにも登場した初代峯岸チーム4の卒業生小嶋真子・西野未姫と一緒に『ノースリーブス』の「尺が欲しい」をコミカルにパフォーマンス。

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 続いて、小嶋陽菜高橋みなみがステージに登場し、本家『ノースリーブス』の3人で「君しか」「ペディキュアday」と2曲続けて披露した。

 MCでは、小嶋陽菜が「(コンサートに続いて)また来ちゃった〜」と峯岸に声をかけ、高橋みなみは「久しぶりに劇場に来て思ったのは、(周年ごとに柱に貼られる)ピンクの線がめっちゃ増えてる!すごいよね!歴史を感じますね!」とコメント。また峯岸に「コロナ禍でどうなるかって不安もあったけど、お客さんがこうやって劇場に来てくださって良かったね〜」と声をかけ、峯岸は「どうしてもファンのみなさんに見守られて卒業したいと思って、拘って良かったなと思いました。実現できて本当に嬉しく思ってます。ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えた。

 また、「(先日の)卒業コンサートで燃え尽きたかと思ったけれど、今日この劇場に立って、大きい会場とは違う良さが詰まっていて“劇場は特別だな”“いつもこの劇場が私たちの存在を守ってくれたんだな”と改めて思いました。大好きな後輩に囲まれて卒業できるのも嬉しいですけど、一緒にここでスタートを切ったメンバーの2人にもきてもらえて、すごくすごくほっとしたし嬉しかったです!ありがとう!」と挨拶。

 後半は、入山杏奈加藤玲奈・宮崎・向井地・柏木・岡田・村山が峯岸のお面をつけて現れ「フライングゲット」を披露。本編のラストでは、別れのバラード曲「青空のそばにいて」で見事なハーモニーを奏でた。

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 アンコールでは卒業ドレスに身を包んだ峯岸が登場し、峯岸のソロ曲「私は私」を初代峯岸チーム4の小嶋真子・西野・岩立沙穂・岡田・篠崎彩奈・北澤・村山とともに歌唱。

 「AKBに入って15年、いいことばかりではありませんでしたが、どんな時もこの劇場が私の支えになっていて、人前に立つのが怖くなった日もこの場所だけは自分が存在していいような、そんな気にさせてくれました。この場所がなくなったらどうやって頑張っていけばいいんだろう?と不安に思うこともあるんですけど、卒業しても一生かけてファンのみなさんに恩返ししていきたいと思います。私はアイドルとして立派ではなかったけど、一緒に歌って泣いてくれるメンバーや、こんなに素敵な衣装やステージを用意してくれるスタッフのみなさん、私の言葉に耳を傾けて応援してくれて泣いてくれるファンのみなさんに出会えたことで、人としては間違っていなかったんだなって、これからも強く生きる自信になります。AKB48峯岸みなみを支えてくれてありがとうございました」と、改めて感謝の気持ちを伝え、現役メンバー全員で「引っ越しました」を披露。

 峯岸へのサプライズで、メンバーみんなで用意した峯岸との思い出を綴ったアルバムと花束を渡し、柏木と向井地が「みぃちゃん、卒業おめでとう!」と声をかけた。

 また、総合プロデューサーの秋元康氏からの手紙を向井地に手渡され、峯岸本人が読み上げた。

 「とうとう、峯岸まで卒業か…。一番、いろいろなことがあった末っ子を最後に嫁に出すようでホッとするのと同時に、いいようのない寂しさを感じます。(中略)峯岸は、いつも周りに気をつかうメンバーになりました。メンバーにも、ファンにも、スタッフにも…。誰のことも傷つけたくない、もちろん、自分も傷つきたくない“心優しい峯岸みなみ”になりました。ぴあアリーナの卒業コンサートに卒業メンバーがあれだけ駆けつけたり、ビデオメッセージをもらえたのは、峯岸がこれまで、どんなに悔しいことがあっても悲しいことがあっても、決して腐らず、仲間を祝福し、応援して来た“優しさの持ち主”だからです。他人に気ばかりつかってしまう峯岸が、卒業して、厳しい芸能界を歩き出すのは心配ですが、何かあれば、いつだってファンの皆さんを含めた仲間たちが、峯岸の元に駆けつけてくれると思います。もちろん、僕も駆けつけますよ。峯岸、卒業、おめでとう。君の優しさがAKB48をこれまで一つにしてくれました。今までありがとう。これからの峯岸みなみの活躍を期待しています」

(C)AKB48

 こういう内容に、峯岸はこれまでのAKB48人生を振り返り「秋元先生は本当にお父さんのような存在で、一時期は拗ねて、反抗期の娘みたいに上手に会話することができないときもありましたが、こうして卒業することになった今、秋元先生のくれたものがどれだけ大きかったかを感じています。秋元先生、こんな私を見捨てないでくれて、AKB48というグループを創り、たくさんの普通の女の子たちの未来を彩ってくれてありがとうございます」とコメント。

 最後は「これからのAKB48に想いを馳せながら、一緒に歌ってください」と呼びかけ、卒業生を含む全員で「桜の花びらたち」を歌い、15年半前にスタートをきったAKB48劇場で、自身のアイドル人生に終止符を打った。

 旅立ちの時を迎えた峯岸と感動に涙するメンバーたちに会場からは温かい拍手が贈られ、祝福ムード満載のなかAKB48峯岸みなみの卒業公演は幕を下ろした。