香村さん宅のLDK

自分の家に合った家具を選ぶのは、なかなか難しいもの。
家具の代表的なものといえば、ダイニングテーブル、ベッド、ソファ、デスク、本棚などが挙げられます。

とくに「ダイニングテーブル」について質問されることが多い、と話すのは、ライフオーガナイザーで家事研究家の香村薫さん。ミニマリストとしての生活を心がけています。

ダイニングテーブルを選ぶ際、どんなことを意識すれば良いのか、また、香村さんはどんなダイニングテーブルを使っているのか、詳しく教えていただきました。

ダイニングテーブルは「円形、一本脚、エクステンション機能つき」が便利。ミニマリストの使い方

1.円形だとテーブルの上に、ものを置きっぱなしにしなくなる

BoConceptのグラナダという円形テーブル

筆者のインスタグラムあてに、「このダイニングテーブルはどこのものですか?」という質問を頂くことがよくあります。読者の方のダイニングテーブルへの関心の高さを実感しています(なぜか「このソファはどこのものですか?」とはあまり聞かれません)。

筆者がお客様のお宅に片づけサポートに伺うと、こんな様子を見かけることが少なくありません。

  • ダイニングテーブルや椅子に荷物が山積み
  • 椅子に服が何重にも掛かり、さらにバッグなども掛かっている

テーブルの上は、郵便物や書類が散乱。それを、食事のたびにテーブル上で動かして山積みに。山は高くなるだけで、ものは一向に減らない、という状況です。テーブルのサイズが大きすぎるとどうしても物置きになりがち。ちなみに、椅子がたくさんあると、使われない椅子は物置きになりがちです。

また、テーブルのサイズが大きくなると、自分から距離のあるものが取りにくくなるもの。そこで筆者宅が採用したのがBoConceptのグラナダという円形テーブルです。グラナダは直径130cm

円形だと壁寄せして使いにくいので、却って好都合。テーブルの片隅に書類などを積み上げると下に落ちてしまうので、自然とテーブルの上に載っているものをきちんと定位置に収納し、テーブルの上にものを置きっぱなしにしない習慣がつきました。

2.掃除がしやすく、場面によって使い分けられるのは一本脚

ダイニングテーブル選びでよく考えたいのが掃除のしやすさです。ポイントになってくるのがダイニングテーブルの脚の形状です。4本脚のテーブルは安定感がありますが、どうしても掃除機をかけるのに時間がかかってしまいます。

そこで筆者宅では一本脚のテーブルを探しました。一本脚は掃除がしやすいだけでなく、椅子の数に自由度があるというメリットもあります。よって、隣の人との距離感を状況に合わせて変更できるので、勉強を教えるときは近寄ったり、逆に資料を大きく広げたいときは隣の人と距離を十分に取ったり、と使い勝手がいいように感じます。

長方形のテーブルにありがちな、対角に置いたものに手が届かない…という不便さもありません。

食事を並べたダイニングテーブル

筆者宅が選んだような円形のテーブルであれば、テーブルの反対側にあるものを取りやすくて、食事の際はもちろん、掃除がしやすくなり助かっています。

椅子を壁沿いに並べて配置

ちなみに筆者宅では、椅子はテーブルにセットしておくのではなく、使わないときは壁沿いに並べて配置することに。使いたい人が、使いたいときに自分で椅子を持ち運んで使う、というスタイルにしています。

3.エクステンションテーブルは広げても余裕があるかシミュレーションを

もうひとつ重要なのがダイニングテーブルのサイズです。筆者宅では、ダイニングテーブルを探すときに、「そこでどんなことをして過ごすか」を考えた結果、以上のような過ごし方が挙がりました。

  • 食事をする
  • 仕事をする
  • 勉強をする
  • 会話を楽しむ
  • 読書・スマホをする
  • テレビを観る
  • 来客を招いて講座(最大6名)

あるときはコンパクトにでき、あるときは大人数にも対応できるテーブルが理想だと判断しました。そこで選んだのが「エクステンション機能があるテーブル」です。

テーブルのエクステンション機能

実は今まで片づけサポートに伺ったお宅では、エクステンション機能を使ったことがないお宅が多くありました。原因についてヒアリングすると、使っていないご家庭は「最大限にテーブル面を大きくしたときに部屋が非常に窮屈になる」傾向があることが分かりました。

ダイニング全体

そこで、筆者宅ではテーブルを最大に広げても部屋の広さに余裕があるかどうか、をよくシミュレーションしてサイズを選びました。結果、エクステンション機能をかなり頻繁に活用しています。
ダイニングテーブルの購入や買い替えを検討している方の参考になれば幸いです。

●教えてくれた人/香村薫さん
家事研究家/ライフオーガナイザー、株式会社ミニマライフ代表取締役。大学卒業後、トヨタグループのAT・ナビ専門メーカー・アイシンAWに入社、商品企画・統括業務を担当。結婚後には夫と一緒に、ものの適正数を決め、しくみで維持する片づけ方を考案。「トヨタ式おうち片づけ」と名づける。著書は「トヨタ式おうち片づけ」をはじめ多数

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