日本ヒューレット・パッカード(HPE)は5月27日、フルクラウド型の運用が可能なストレージの新ブランド「HPE Alletra(アレットラ)」を発表した。同じく新製品のクラウドコンソール「Data Services Cloud Console(DSCC)」と、DSCC上で提供する「Cloud Data Services」も披露し、クラウドファースト時代のデータプラットフォーム運用を推進し、オンプレミス環境の複雑さを排除する方針を示した。

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 HPE Alletraでは、汎用ワークロードとHCI向けの「HPE Alletra 6000シリーズ」と、ミッションクリティカルなワークロード向けに最適化された「HPE Alletra 9000シリーズ」を展開する。6000シリーズはHPE Nimble Storage、9000シリーズはHPE Primeraのアーキテクチャーをそれぞれ踏襲し、いずれも同日から販売を開始した。最小構成の価格(税別)は、6000シリーズが2420万円からで、9000シリーズが5124万円から。

 両シリーズはフルNVMe対応を実現。データ削減保証やマルチアレイ管理、Timeless Strage(永続利用)、AIによる予測分析、DSCCからの管理も共通機能となっている。性能は、6000シリーズはHPE Nimble Storageに比べて87%、9000シリーズはHPE Primeraに比べて35%向上しているという。

 DSCCは、クラウド上に展開されているため、インターネットにつながっていれば、ウェブブラウザーを通してどこからでもアクセスできる。同社の中井大士・プリセールスエンジニアリング統括本部ストレージ技術部部長は、DSCC上で提供するCloud Data Servicesは各種データサービスやインフラサービスを一元的に提供すると説明。製品の戦略については「新しいクラウド体験を提供し、これまでの複雑化された管理から脱し、オンプレミスだからできなかったことを解消していくための道筋をつける」と語った。

 同社の本田昌和・執行役員コアプラットフォーム事業統括は、HPEがグローバルでエッジからクラウドまでの全ポートフォリオをアズ・ア・サービス(as-a-Service)で提供する「アズ・ア・サービス・カンパニー」になることを目指していると紹介した上で、「今回の発表は、アズ・ア・サービス戦略を実行するために、全く新しいコンセプトとなっており、非常に戦略的な意味合いが大きい」と述べた。

本田昌和・執行役員