参照:@honolulu_rail_transit


慢性的な交通渋滞を緩和するために計画されたホノルル・レール・トランジット、通称HART。今回はその概要や建設の進捗具合、さらに新たに発生した問題についてもお話しします。


ホノルル・レール・トランジットとは



地元住民やハワイを訪れる観光客から待ち望まれている鉄道路線、ホノルル・レール・トランジット。


この大型輸送交通機関はオアフ島西部のカポレイからダニエルKイノウエ空港を経由し、オアフ島の交通網の要であるアラモアナセンターまで、高架の上を無人の列車を走らせるというもの。


ホノルル市議会がこの建設を認可したのはリンダ・リングル氏が州知事を務めていた2006年12月のことでした。


2014年12月より高架の建設がスタートし、当初の開通予定は2017年でしたが予算不足により建設が遅れ、2020年の下半期に西側ルートの一部が開通し、2025年以降の東側ルート完成をもって、全線開通となるはずでした。


工事に関して問題が続出



2021年5月13日付のホノルル・スター・アドバタイザー誌によると、すでに敷かれている線路の一部区間で、車両の車輪間隔がレールに対して狭すぎるという問題が発生しているそうです。


これを解決するためには車両の車輪をすべて取り替えるという方法が最も早く、コストもかかりませんが、この場合車両の重量が基準を超過してしまいます。


ホノルル・レール・トランジットのCEOは車輪を交換して重量が増加した場合は、車両の他の部分の重量を減らすしかないだろうとコメントしています。


また、もう一つの案として線路を敷き直すという方法もありますが、そうなるとすでに遅れている計画がさらに最低で1年は遅れることになり、コストも莫大にかかってしまいます。


ホノルル・レール・トランジットによると現時点で明確な対応策は定まっていません。


さらにこのレール幅の問題のほかにも溶接の品質や一部の線路にひび割れが発生するなど、様々な問題を抱えている模様です。


今後は全線開通に向けてスムーズに計画が進みますように



ホノルル・レール・トランジットでは予算不足についても色々と懸念されています。


計画当初は53億ドルと見積もられていましたが、すでに現在の時点で124億ドルのコストがかかることが見込まれ、すでに36億ドルの予算不足が判明しています。


さらに先ほどのレールの幅問題を解決するためのコストも上乗せされることになります。


これまで何度かの開通延期を行ってきて、現時点で全線開通は10年後の2031年3月が予定されています。


今後ホノルル・レール・トランジット計画がトラブルなどなく全線開通にむけてスムーズに進んでくれることを祈るばかりです。




ダニエル・K・イノウエ国際空港からアラモアナセンターまでタクシーやシャトルバスを利用すると30分以上かかりますが、ホノルル・レール・トランジットなら16分。この早さは大勢のハワイファンが待ち望んでいることなのではないでしょうか。

【5月31日現在】ホノルル・レール・トランジット(HART)はいつ開通する!?