6月26日(土)に放送される「世にも奇妙な物語’21夏の特別編」(夜9:00-11:10、フジテレビ系)にて、加藤シゲアキが初出演で初主演を務めることが分かった。今回の「世にも奇妙な物語―」は、4つの“奇妙な”エピソードが登場するオムニバスドラマで構成される。

【写真を見る】孝(加藤シゲアキ)と“三途の川”で再会する芽生(島崎遥香)

加藤が出演するのは「三途の川アウトレットパーク」。原作は、寺田浩晃の同名漫画(小学館「サンデーうぇぶり」掲載)。主人公の木村孝(加藤)は、目つきが悪いことから、たびたびトラブルに巻き込まれ、決して明るい人生は歩んでこなかった男性。とあることで命を落としてしまった孝は、目が覚めると、“三途の川アウトレットパーク”と呼ばれるショッピングモールの目の前にいた。

島崎遥香と“孝”が三途の川で再会

また、島崎遥香が、孝が仕事先の病院で出会う入院患者・大原芽生(おおはら・めい)を演じる。島崎も「世にも奇妙な物語」初出演。子どもの頃から入退院を繰り返していた芽生は、孝と知り合い、次第に打ち解けていく。しかし、そんな芽生もまた命を落とし、三途の川アウトレットパークで孝と再会することになる。

■加藤シゲアキ コメント

――今回の話がきた時の感想

とてもうれしかったです。「世にも奇妙な物語」は、毎回見ていてずっとファンだったので自分がその作品に参加できるのは、夢が一つかなったような気持ちです。学生の頃からも見ていましたし、最近の作品も欠かさず見ていました。

――台本を読んでの感想

世にも奇妙な物語」はいろいろな話があるので、「どのパターンかな?」と思って読んでいたのですが、「まさに、世にも奇妙!」というか、ちょっとユーモアもありながら、短いミステリーであり、衝撃の事実がどんどん明らかになっていくところがすごく面白かったです。設定も、死後の世界アウトレットパークがあるというちょっと変わってはいるのですが、そこで描かれている話がすごく現実的で、人間味あふれる物語なので、読み終わった後は不思議な感覚でした。

――実際に演じられてみての感想

(木村という人物は)かわいそうな人だなあと思っていて、すごく共感しながら、そして演じていて悲しい気持ちになるのが新鮮でした。

――三途の川の存在をどう思いますか?

こういう、三途の川や賽(さい)の河原という、宗教的なモチーフは面白いと小さい頃から思っていました。ちょっと不思議で、ファンタジックではあるけれど怖いところもあって。死後の世界に対する物語は興味がありましたし、皆さんも興味があるのではないかと思います。みんなが共通認識として知っていて、定着している三途の川という、死後の世界があるというのは面白いなあと思います。

――ご自身ではこのように、現代社会では説明できないような奇妙な体験はありますか?

僕、霊感とか全然ないんです。番組で事故物件にも行ったことがありますが、何も感じなかったので怖い体験はしたことがないですね。実体験がないからこそ、「世にも奇妙な物語」のような話にも興味を持って面白く見ることができるんだと思います。本当に怖い話もありますが、それもすごく好きで、友達にも薦めていました。

――このような怪奇現象やホラーは執筆してみたいと思いますか?

思いますね。変わった話はこれまでも描いたことはありますが、ホラーは描いたことがないですし。「世にも奇妙な物語」は非現実的な話ではなく、いろいろな不思議な方向から物語が進んでいくので、こういう話は描いてみたいなと思います。

たまに夜中にオンラインゲームをやるんですけれど、この前オンラインゲームで知り合った人の名前が“ズンドコベロンチョ”だったんですよ(※「世にも奇妙な物語」で1991年草刈正雄主演で放送。2015年に藤木直人主演でリメークされた人気作品)。友達も一緒にやっていたのですが、その友達が“ズンドコベロンチョ”を知らなくて、「え?『世にも奇妙な物語』のズンドコベロンチョ知らないの?」という話になって、その後みんなで見ました(笑)。この作品への出演が決まった後だったので、それは奇妙な体験かもしれないですね。「世にも奇妙、俺の中で始まっているな」っていう(笑)。どこかのズンドコベロンチョさんとゲームで戦うという奇妙な体験、うれしかったですね。

世にも奇妙な物語」は、いろいろな角度があるので、本当に作家として勉強になります。「あ、その手があったか」と思うこともありますし、作家の方は皆さん興味のある作品なのではないかと思います。

――読者の皆様へのメッセージ

今回は全体的に死のテーマがあるということを伺ったのですが、決してそれを怖い形で描いているものばかりではなくて。特に、死んだ先にもメッセージがある、死んでからも生き様が問われるというこの作品は、決して爽快な話ではないけれど、見終わった時にじわっと広がる人の思いや温度のようなものがあるので、それをぜひ、見て、感じていただけたらと思います。死んだ後のことを見て、生きていることを感じさせてくれる興味深い話だと思います。

■「三途の川アウトレットパーク」あらすじ

辺り一面に霧がかかっている河原で、木村孝(加藤シゲアキ)が仰向けに倒れて気を失っている。目が覚めて辺りを見回した木村は“三途の川”と書かれた看板に気が付く。「死んだのか?」と考えていると、目の前に巨大なショッピングモールが見える。立ち尽くす木村に冥界の住人・サイノ(芋生悠)が声を掛ける。「ようこそ、三途の川アウトレットパークへ」

このアウトレットパークでは、生前の行いに従って“徳”と呼ばれるお金を得、そのお金で来世のための買い物ができる。孝が持っていたのはたった古銭6枚。生前に罪でも犯したのか?

そこで孝は、田中春(潤浩)という少年と出会う。春は生前、病気で運動ができなかったので、生まれ変わったら野球がうまくなりたいのだと話す。春は孝に、生まれ変わったらやりたいことがあるかと聞く。孝は生前、目つきが悪いということで、度々トラブルに巻き込まれていた。そこで、来世では目を変えてみたいと話す。

孝は生前、仕事先の病院で出会った入院患者の大原芽生(島崎遥香)のことを思い出していた。芽生は孝の目が好きだと言ってくれた唯一の人だった。親しくなっていくにつれて、孝は芽生の病気を治したいと強く願うようになり、あることを決意。だが、志半ばで死を迎えてしまったのだった。「芽生は元気に生きているかな」。そんなことを考えていると、目の前に芽生が現れる。

「三途の川アウトレットパーク」で主演を務める加藤シゲアキ/(C)フジテレビ