芸能界、スポーツ界のビッグネームが相次いで心の病におかされ、休養を余儀なくされた。

 「深キョン」の愛称で親しまれる女優の深田恭子(38)が「適応障害」であることを5月26日に公表し、療養のため芸能活動を当面休止すると所属事務所を通じて発表した。

 その5日後には、女子テニス世界ランキング2位の大坂なおみ(23)が「うつ病」に悩まされていることを自身のツイッターで告白。 出場中の全仏オープンを棄権し、しばらくの間、ツアーから離れることを明かした。

(c)WOWOW

・今すぐ読みたい→
休養発表の深田恭子へ、山田邦子がエール「みんなも私もあなたが大好き」 https://cocokara-next.com/athlete_celeb/kunikoyamada-send-ale-kyokofukada/



 うつ病と適応障害は、症状が似ているため境界線があいまいで混同されがちだが、いくつか違いもある。

 うつ病とは、気分が落ち込み、何をしても楽しめない、憂うつになる、無気力などの精神的な症状のほか、眠れない、疲れやすい、体がだるい、食欲がないといった身体的な症状が現れることのある病気で、気分障害の一つ。さまざまなストレスがかかって心がダメージを受け、ものの見方が否定的になり、自分はダメな人間だと自分を追いつめてしまう人も多い。

 適応障害は、特定の状況や出来事がつらく耐えがたくなり、日々の生活が困難になる病気のこと。精神面、身体面の症状はうつ病と同じ内容が多いが、緊張による多汗や震えなどの情緒的なもの、無断欠勤や遅刻、暴飲暴食、器物破壊、ギャンブル依存といった行動面の症状は、うつ病には見られない特徴だ。

 違いはストレス下の環境面にも現れる。適応障害はストレスの原因がはっきりしており、それを取り除くことで症状が緩和し、ストレスから離れると比較的落ち着く傾向がある。一方、うつ病の場合、ストレスから離れてもうつ状態は続き、原因を除去しても症状は改善しない点が適応障害とは異なる。

 うつ病は、サッカー界のスーパースター・イニエスタJリーグヴィッセル神戸)も悩まされたことを告白しているように、有名人にも多い。厚生労働省の調査によると、日本でうつ病になったことがある人の割合は6.7%で、およそ15人に1人の計算。※1

 病院を受診していない人は含まれないため、実際にはもっと多くの人が苦しんでいると考えられている。男女別では女性のほうが男性より1.6倍、気分障害が多いというデータもある。

 大坂は18年の全米オープンで四大大会初優勝してから、うつ病の症状に苦しめられていることを明かし「オフィシャルな場で話すのがもともと得意ではなく、世界中のメディアを前に話すことに大きな不安を抱えるようになっていた」という。試合後に義務付けられている記者会見を拒否し、病気を告白したことで、自らの身を削ってスポーツ界に問題提起する形になった。

 深キョンは適応障害となった原因は不明だが、今年に入って「激ヤセ」報道があり、体調面が心配されていた。昨年は同じホリプロに所属していた芦名星さん、藤木孝さんが自ら命を絶ち、コロナ禍で取り巻く環境も激変。10代から売れっ子として笑顔で走り続けてきた彼女に、何かしらの大きなストレスがかかっていた。

 うつ病も、適応障害も、専門医の診断を受けること、何より休息する時間が必要となる。ファンにとっては残念だが、大坂も深キョンも、じっくりと療養に専念してもらいたい。

※1 厚生労働省HP「うつ病を知っていますか?」
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/01/s0126-5d.html

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

イニエスタも悩んだ「うつ病」に大坂なおみも! 深キョン「適応障害」との違いは?