SF作品に出てくるポータルは、異世界または遠地に繋がる出入り口だ。ドラえもんの世界ではどこでもドアと呼ばれている。
いつでも瞬時に好きな場所に行くことができたらどんなに素晴らしいことか。だが現在の技術ではその夢を実現することは叶わない。
だがそれに近い気分なら味わうことができるかもしれない。リトアニアとポーランドのとある広場に設置された巨大な円形の丸い窓、その名も「ポータル」を覗き込めば、遠く離れた街の人たちとリアルタイムで交流することができるのだ。
5年の製作期間を経て5月26日に完成したポータル(PORTAL)は、リトアニア、ヴィリニュス駅前広場とポーランド、ルブリンの広場に設置された。
カメラを内蔵した丸型巨大スクリーンで、インターネットを介して2つ街がリアルタイムでつながることができる。
視覚的な架け橋として異なる文化で暮らしている人々をつなげ、調和や結束の意味について考えてもらうことが狙いだそうだ。
PORTAL: A Bridge To The United Planet
PORTALプロジェクトの仕掛け人ベネディクタス・ギリス氏は次のように語る。
社会の一極化・温暖化・経済問題など、人類は滅亡に追いやられる可能性があるいくつもの難題に直面しています。ですが、よくよく観察してみれば、優れた科学者・活動家・指導者・知識・技術がないことが原因ではないことがわかります。
原因は個人主義・共感の欠如・ゆとりのない世界の見方なのです。そのために国境の内側のことしか考えられなくなっています
彼がPORTALを考案したのは、人々を結束させる架け橋をつくり、過去のものでしかない偏見や不和を超えて招待状を送るためだ。
いつか日本にも?
丸いデザインは、ある有名なSF作品のシンボルを意識したものらしい。はっきり言及されていないが、『スターゲイト』ではないかという見解もある。また、そのミニマルなデザインは、未来都市のイメージを形作る手助けになるよう意図されたものでもあるそうだ。
たった一度きりのプロジェクトではなく、今後もヨーロッパをはじめとする世界中の都市をつないでいく予定であるとのこと。
いつか日本のどこかにも設置されるようなこともあるのだろうか? そのときはどこでもドア型でお願いしたいんだ。できれば自分の体ごといけるテレポーテーションの方の実現も合わせてお願いしておきたいんだ。
References:Vilniaus miesto savivaldybė - The Future is Here: Vilnius Invites Residents to Connect with Another City Through a ‘PORTAL’/ written by hiroching / edited by parumo
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