代替テキスト

iDeCoって難しそうだし、投資は怖いし、今さら遅い……それらはすべて過去の話。制度改正で、だいぶやりやすくなるんですーー。

「’22年の春から、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入対象者が広がります。50代の人が、老後資金を増やす最後のチャンス。ぜひ活用してください」

そう指摘するのは、これまで2万3,000件以上の家計相談をしてきた「家計再生コンサルタント」の横山光昭さんだ。そもそも、iDeCoとはどのような制度なのだろうか。

「iDeCoとは自分のための年金を自分で積み立てる制度。自分で掛け金を出して運用することで資産を増やし、60歳以降に受け取ることができるのです。掛け金は、全額所得控除されるため、毎年の所得税や住民税が安くなります。さらに通常の投資や預金では、利息等の利益に対して約20%もの税金が課せられますが、それも非課税。受け取り時にも税制優遇があります」

加入者は’18年3月の85.37万人から’21年3月には193.9万人と、年々増加している。来年行われる改正の1つは、これまで60歳未満だった加入年齢が65歳まで延長となることだ。さらに、現在60歳から70歳までの間で選べる年金の受け取り開始時期が、75歳まで延長される。

「掛け金を積み立てられるのは最長65歳までですが、運用自体は受け取るまで続けられるので、利益を増やすことができます」

■50歳夫婦の場合をシミュレーション!

今回は、50歳の夫婦がiDeCoをスタートして、65歳まで続けた場合をシミュレーションしてみた。

<条件>

専業主婦の妻(50)が60歳以降2年間の任意加入を行い、月2.3万円を12年拠出。
会社員の夫(50)が65歳まで働き、月2.3万円を15年拠出。

■年利3%の場合

〈妻〉元本331.2万円+収益66.8万円+36.9万円※1
〈夫〉元本414万円+収益108万円+節税124.2万円※2
1081.1万円
iDeCoの活用で貯蓄に比べ、335.9万円プラスに!

■年利5%の場合

〈妻〉元本331.2万円+収益121.4万円+71.4万円※1
〈夫〉元本414万円+収益200.7万円+節税124.2万円※2
=1,262.9万円
iDeCoの活用で貯蓄に比べ、517.7万円プラスに!

※1:62歳までの資産をその後3年間運用した場合の利益。※2:かんたん税制優遇シミュレーションで、年収700万円の場合の試算結果。

同じ金額を銀行に預金しても、資産はほとんど増えないのに対し、iDeCoは節税分も貯蓄にまわせば年利3%の商品でも約335万円、年利5%の商品なら約517万円も資産を増やすことができるのだ。

これからは、年金も自分で積み立てて作る時代。老後の安心を作るのは今の自分の行動だ。