本資料はアストラゼネカ英国本社が2021年5月28日に発信したプレスリリース日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、欧州連合(EU)において、タグリッソ(R)(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)が、腫瘍完全切除後の早期ステージ(IB期、II期およびIIIA期)の上皮増殖因子受容体変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんの術後補助療法の治療薬として、承認されたことをお知らせいたします。タグリッソはエクソン19欠失型またはエクソン21(L858R)点突然変異が確認されたEGFRm NSCLC患者さんの術後補助療法として適応となります。

今回の欧州における承認は、タグリッソが主要評価項目であるII期およびIIIA期のEGFRm NSCLC患者さんにおける無病生存期間(DFS)において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示した第IIIADAURA試験のデータに基づいています。また、タグリッソは本試験の重要な副次評価項目の1つである全症例におけるDFSにおいても統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。

NSCLC患者さんのおよそ30%は、治癒切除可能な早期ステージと診断されますが、早期ステージと診断された患者さんにおいても術後再発率は依然として高いままです。これまでに、ステージIB期と診断された患者さんの半数近く、ステージIIIA期では4分の3以上もの患者さんが5年以内に再発を経験しています(1-3)。欧州には全世界の約5分の1となる肺がん患者さんがおられ、そのうちNSCLC患者さんのおよそ15%が腫瘍にEGFR変異を有しています(4-6)。

サンタ・クレウ・イ・ サン・パウ病院(スペイン)の腫瘍内科医であるMargarita Majem医師は次のように述べています。「早期ステージの肺がんは腫瘍の切除が可能ではありますが、残念ながら再発することがしばしばあります。タグリッソによる術後補助療法は、EGFR変異陽性の患者さんに対して無病生存期間の顕著な改善を示しました。今回の承認により、できるだけ多くの患者さんがタグリッソのような分子標的薬の恩恵が受けられるよう、肺がんのすべてのステージにおいてEGFR変異検査の重要性が高まり、EUの臨床現場におけるプラクティスが変わっていくことを期待しています」。

アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニット責任者であるDave Fredricksonは次のように述べています。「がんは早期発見・早期治療によって治癒の可能性が高まるため、早期ステージにおける今回のタグリッソに対する承認は大変意義のあるものと言えます。この承認により、欧州のEGFRmを有する早期肺がん患者さんはバイオマーカーに基づく分子標的治療のオプションが初めて選択できるようになり、より長くがんのない状態で生きることができます」。

ADAURA試験において、タグリッソによる術後補助療法は、ステージII期およびIIIA期の患者さんにおける主要評価項目であるDFSにおいて、疾患の再発または死亡のリスクを83%低下させました(ハザード比0.17;99.06%信頼区間[CI]0.11~0.26;p<0.001)。また、全症例(IB~IIIA期)におけるDFSにおいては、タグリッソが再発または死亡のリスクを80%低下させました(ハザード比0.20;99.12%CI 0.14-0.30;p<0.001)。

DFSについては、術後補助化学療法による治療歴の有無に関係なく、事前に指定されたすべてのサブグループにわたって一貫した結果が確認されました。また、本試験におけるタグリッソの安全性および忍容性は、転移を有する患者さんを対象としたこれまでの試験と一致していました。ADAURA試験の結果は The New England Journal of Medicine ( https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2027071 ) 誌に掲載されました。

タグリッソは、早期肺がんの術後補助療法として米国( https://www.astrazeneca.com/content/astraz/media-centre/press-releases/2020/tagrisso-approved-in-the-us-for-early-lung-cancer.html )および中国( https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2021/tagrisso-approved-in-china-in-early-lung-cancer.html )を含む50カ国以上の国で現在承認されており、その他の国々でも承認申請に向けた議論が進行中です。タグリッソは、局所進行性または転移性EGFRm NSCLCの一次治療、および局所進行性または転移性EGFR T790M変異陽性NSCLCの治療薬として、EU、米国、日本、中国など、世界中の多くの国々で承認されています。

EGFR遺伝子変異陽性NSCLCの術後補助療法に対するタグリッソの適応は、本邦では未承認です。

以上

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肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています(4)。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、肺がん患者さんの80~85%がNSCLCと診断されます(7)。NSCLCの患者さんの大多数は進行がんで診断され、切除可能と診断されるのは全体の約25~30%です(1-2)。また早期の肺がんは、肺がんとは無関係に撮像された画像で診断されることがほとんどです(8-9)。

切除可能ながん患者さんの多くが、手術(腫瘍の完全切除)および術後補助療法としての化学療法を受けても再発します(3)。

欧米ではおよそ10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています(10-12)。これらの患者さんはがん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路を阻害するEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が高くなります(13)

ADAURAについて
ADAURA試験は、腫瘍の完全切除および術後補助療法として(術後補助化学療法を伴う症例を含む)病期IB期、II期、IIIA期のEGFRmのNSCLC患者さん682例を対象に、タグリッソの術後補助療法に対する無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同第III相試験です。患者さんはタグリッソ80mg錠1日1回経口投与で3年間または再発するまで治療を受けました。

なお、本試験は米国、欧州、南米、アジア、中東の20ヵ国以上、200を超える施設で実施されました。主要評価項目は病期II期およびIIIA期の患者さんにおけるDFSであり、重要な副次評価項目は病期IB期、II期およびIIIA期の患者さんにおけるDFSです。

データ解析は当初2022年に予定されていましたが、2020年4月に独立データモニタリング委員会よりタグリッソが顕著な有効性を示したとして、ADAURA試験の非盲検化を予定より2年早める勧告を受けました。なお、被験者は試験を継続中であり、現在も本試験の盲検は維持されています。本試験では全生存期間の評価を引き続き行います。

タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対する臨床活性も有しています。タグリッソ(40mg錠および80mg錠の1日1回経口投与)は、これまでに全世界で250,000人以上の肺がん患者さんの治療に用いられており、タグリッソは、米国、日本、中国、EUおよびその他多くの国において、局所進行性または転移性EGFRmのNSCLC患者さんに対する1次治療として承認されています。

III相試験としてタグリッソは、切除可能な患者さんを対象とした術前補助療法の試験(NeoADAURA試験)、ステージIII期の切除不能な局所進行の患者さんを対象とした試験(LAURA試験)およびステージIII期の局所進行またはステージIV期の転移性の患者さんに対して化学療法と併用療法の試験(FLAURA2試験)でも検討が進んでいます。その他の現在進行中の試験として当社は、タグリッソとMet受容体チロシンキナーゼの強力かつ高選択性経口阻害薬であるサボリチニブとの併用療法を評価する第II相SAVANNAH試験、および他の新薬候補との併用療法を評価する第II相ORCHARD試験を通じて、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットアプローチを定義することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

当社の包括的なポートフォリオには、革新的な肺がん治療薬であるタグリッソ(オシメルチニブ)、イレッサ(R)(ゲフィチニブ)、免疫チェックポイント阻害剤であるイミフィンジ(R)(デュルバルマブ)およびトレメリムマブや第一三共と共同開発を進めているエンハーツおよびdatopotamab deruxtecan、HUTCHMEDと共同開発を進めているサボリニチブなど、新薬候補となる開発品および多様な作用機序を組み合わせた開発パイプラインが含まれます。

アストラゼネカはLung Ambition AllianceLAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、オンコロジーおよび循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については https://www.astrazeneca.com または、ツイッター @AstraZeneca ( https://twitter.com/AstraZeneca )(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Cagle P, et al. Lung Cancer Biomarkers: Present Status and Future Developments. Archives Pathology Lab Med. 2013;137:1191-1198.
2. Le Chevalier T. Adjuvant Chemotherapy for Resectable Non-Small Cell Lung Cancer: Where is it Going? Ann Oncol. 2010;21:196-8.
3. Pignon et al. Lung Adjuvant Cisplatin Evaluation: A Pooled Analysis by the LACE Collaborative Group. J Clin Oncol. 2008;26:3552-3559.
4. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed May 2021.
5. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Globocan United Kingdom Fact Sheet 2020. Available at https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/826-united-kingdom-fact-sheets.pdf. Accessed May 2021.
6. Midha A, et al. EGFR mutation incidence in non-small cell lung cancer of adenocarcinoma histology: a systematic review and global map by ethnicity (mutMapII). Am J Cancer Res. 2015;5(9):2892-2911.
7. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer . Accessed May 2021.
8. Sethi S, et al. Incidental Nodule ManagementShould There Be a Formal Process?. J Thorac Dis. 2016:8;S494-S497.
9. LUNGevity Foundation. Screening and Early Detection. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/screening-early-detection . Accessed May 2021.
10. Szumera-Cieckiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
11. Keedy V.L., et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
12. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
13. Cross DA, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061.

プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2021060411-0013678b65b0bd581a3c692ea4933a8a.pdf

配信元企業:アストラゼネカ株式会社

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