新型コロナウイルスによる影響を「受けていない」業界を見つける方が難しい昨今。特に飲食店への影響は凄まじく、多くの店舗が苦境に立たされている。

しかしそんな逆境の中、利用客を鼓舞する姿が注目を集めている飲食店があることをご存知だろうか。


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■見据えているのは「未来」

話題となっているのは奈良県奈良市にある「まるかつ」という名のとんかつ屋。同店では1,000円以上の買い物をした際に利用できる「100円割引」の券を配布しているのだが、ユニークなのはその有効期限である。

まるかつ

「あと少し頑張りましょう割引券」という名のついた割引券は「有効期限:新型コロナが収束したとされる日から1年間」「※収束日は報道などをもとに決定します」という表記があるように、「未来」に向けた希望のチケットなのだ。


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■同業者からも注目集まる

新型コロナが人々に多大なストレスを与えている要因の一つに「先行きが全く見えない」ことが挙げられる。そんな中で明確に「コロナ収束後」の粋なサービスを掲げた同店に対し、ツイッター上では称賛の声が続出。

なおこちらの割引券について、同店は「いくつかの飲食店さんからお問い合わせいただいておりますが、この割引券などは当店にご連絡頂かなくても、ご自由に真似してください」「何かのお役に立てたり、喜んでくださる人が増えるのでしたら嬉しいです」と、これまた粋なコメントを発している。

■手渡された客も思わず…

まるかつ

話題の割引券について同店を直撃すると、配布を開始した背景については「コロナに一方的にやられているだけではつまらないですし、外出や食事なども思い通りにならなくて、なかなか前向きな気持ちになれない状況で、何かちょっとでも前向きになれるようなことができないかとふと思いつきまして…」という回答が返ってきた。

なお、一番初めに渡した女性客は「え!?」と驚いた様子を見せるが、割引券の内容をチェックするや否や「頑張ります!」と笑顔で応えてくれたそう。ナイスリアクションに対し、担当者は「逆に元気をもらえましたし、お客様とお店の連帯感が生まれたような気がしました」とこちらも笑顔で振り返っている。


■他にもユニークな試みを多数チャレンジ

なお、既にご存知のまるかつファンも多いかと思うが、同店では今回の割引券の他にもユニークなアイデアを多数打ち出している。

まるかつ

例えば以前より、利用客にクーポン券やテイクアウトメニューなどを渡す際に「賄賂」と印刷された封筒を使用したりと、思わずクスッとしてしまう要素が様々な箇所に仕掛けられているのだ。

他には店内の張り紙なども度々話題になっており、同店を知れば知るほどそのユニークな魅力に気づかされるはず。

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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ

飲食店で渡された割引券、よく見ると… 粋な「有効期限」に思わずニッコリ