JALの東京~ロンドン線、パリ線が開設から60周年を迎えました。新型コロナ禍においても「公共交通の使命を果たす」JAL。閑散としたターミナルにこの日だけは、懐かしさを感じさせるたくさんのアイテムが並びます。

始まりは「東京から2地点経由しロンドン・パリへ…」

JAL日本航空)の東京~ロンドンイギリス)線、パリ(フランス)線が就航開始から60周年を迎えました。2021年6月6日(日)、このことを記念したセレモニーが羽田空港で実施されています。

ちょうど2021年に設立から70周年を迎えるJALは、1961(昭和36)年6月6日にこの2路線を、当時の主力機ダグラスDC-8で開設しました。当初は週2便で、東京→アンカレッジ(アメリカ)→コペンハーゲンデンマーク)→ロンドン→パリ→コペンハーゲン→アンカレッジ→東京という経由便での運航だったそうです。

それから60年、現在はロンドン線にボーイング787-9を、パリ線に777-300ERを、それぞれ直行便で投入しています。新型コロナウイルス感染拡大下においても、これら2路線は「公共交通機関の使命を果たすべく、運航を続けている」(JAL執行役員 レゲット ロス路線事業本部副本部長)といいます。同氏はロンドンを「トレンディな街」、パリを「歩くだけで幸せになれる街」と評しており、「一日も早く以前のような状態に戻れることを祈りながら、今後も国際線のネットワークを確保していきたいです」とコメントしています。

2021年現在、コロナの影響で、国際線需要が大きく減っていることから、国際線専用の羽田空港第3ターミナルは閑散としていたものの、これらの便が発着する搭乗ゲートには、この日しか見られないような記念品が並びます。往年のDC-8の写真や当時のポスターをはじめ、ロンドン線ではイギリスのロックバンド「ザ・ビートルズ」がJAL機で来日した際のオリジナルはっぴ(復刻版)などが飾られていました。

また、セレモニーでは、同路線開設当時にCA(客室乗務員)が着用していた3代目制服(昭和35年8月~昭和42年3月)も披露。3代目制服を着用したCAなどが、旅客を見送りました。

なお、現在の運航スケジュールは、パリ行きの方が先に出発します。パリ行きJL45便の搭乗者は43名で、午前10時39分に出発。そのあとを追うようにロンドン行きJL43便が、27名の乗客を乗せ、午前11時16分に羽田空港を出発しました。

JAL「東京~ロンドン・パリ線就航60周年記念イベント」の様子(2021年6月6日、乗りものニュース編集部撮影)。