細田守監督による2015年公開の長編アニメーション映画バケモノの子」を原作とした劇団四季の新作オリジナルミュージカルが2022年4月より上演決定! 7月にアニメーション映画最新作「竜とそばかすの姫」の公開を控えたスタジオ地図作品のミュージカル化は、本作が初となります。

2015年に長編アニメーション映画「バケモノの子」を公開した細田守監督

物語の舞台は、バケモノたちの棲む異世界と東京・渋谷。母親を亡くし、孤独に生きていた9歳の九太は、バケモノの熊徹に出会い、強さを求めて彼への弟子入りを決めます。多種多彩なバケモノや祝祭感あふれる異世界、迫力のある戦闘シーンなどを表現するため、特殊メイクやパペット、アクション、マジック、映像などあらゆる手段を用い、壮大な物語を圧倒的なエンターテインメント性とシアトリカルな手法で描きます。

作品を通して描かれるのは、熊徹と九太の相互成長と、本当の親子のような固い絆、そして己のアイデンティティを模索し葛藤する九太の姿です。熊徹や周りの人々に支えられて力強く成長する九太の姿は、大切な誰かと手を携えて力強く人生を歩んでいくことの価値を教えてくれます。

スタッフは、脚本・歌詞を高橋知伽江さん、演出を青木豪さん、作曲・編曲を富貴晴美さん、音楽監督を鎮守めぐみさん、装置を石原敬さん、衣装・メアメイク・特殊メイクを太田雅公さん、パペットをトビーオリエさん、映像を松澤延拓さん、擬闘を栗原直樹さん、マジック監修をリアルマジシャン RYOTAさんが担当。各分野における、一線級のクリエイターが集結しています。

また、本発表にともない、ミュージカルバケモノの子」の主人公・蓮(九太)、猪王山の息子・一郎彦、二郎丸の少年時代を演じる子役のオーディションの開催が決定しました。オーディションの詳細は、劇団四季公式サイトをご確認ください。

【ストーリー】

この世界には、人間の世界とは別に、もう1つの世界がある。バケモノの世界だ。バケモノ界・渋天街では、長年バケモノたちを束ねてきた宗師が、今季限りで神に転生することを宣言。強さと品格に秀でた者があとを継ぐしきたりがあり、数年後に闘技場で催される試合で、次の宗師を決めることとなった。候補者は、とにかく強いが乱暴者の熊徹と、強さも品格もあわせ持つ猪王山。次期宗師争いは、いよいよ本格的になろうとしていたが、熊徹は、宗師より弟子を取ることを課せられてしまう。

その頃、人間界・渋谷。9歳の少年・蓮は、両親の離婚で父親と別れ、母とも死別。ひとりぼっちの日々を送っていた。行くあてもなく途方に暮れていたある夜、蓮は、弟子を探していた熊徹と出逢い、渋天街に迷い込む。独りで生きるための「強さ」を求めて、蓮は熊徹の弟子となることを決意。「九太」という名前を付けられることとなった。

当初はことあるごとにぶつかり合う2人だったが、奇妙な共同生活と修行の日々を重ねて互いに成長し、いつしかまるで本当の親子のような絆が芽生え始める。一方、猪王山にも、九太と同世代の息子・一郎彦がいた。父の存在が、何よりの誇りであり、父のようになりたいと願う一郎彦。しかし、いっこうにバケモノらしいキバが生えてこないという悩みを抱き続けていた。

時は流れ、九太と一郎彦は青年へと成長。17歳の九太は、熊徹の一番弟子としてその強さを知られるようになっていたが、バケモノと人間のあいだで「自分は何者か?」と揺れ動いていた。ある日、偶然人間界に戻った九太は、高校生の少女・楓と出会って新しい世界を知り、自身の生きる道を模索していく。

やがて訪れた、次期宗師を決する闘いの日。人間とバケモノの二つの世界を巻き込んだ大事件が起きてしまう。皆を救うために、自分にできることは何か――熊徹と九太、それぞれに決断のときが訪れる。

■熊徹

熊のような容姿を持ち、バケモノの世界・渋天街で一二を争う最強のバケモノ。街の長・宗師の次期候補の1人。孤児のため独学で武術を極めてきた。粗野で横暴だが、心に強い信念を持つ。宗師になるには弟子がいることが条件だったが、誰も乱暴な彼の弟子にはなりたがらなかったため、身寄りのない人間の九太を引き取り弟子にしてしまう。九太を指導する中で、独りよがりだった武術が次第に洗練されていく。

■蓮(九太)

9歳で両親と離ればなれになってしまった少年。行き場がなく渋谷の路地裏を彷徨っていたとき、熊徹と偶然出会い、バケモノの世界・渋天街へ迷い込む。強さを求め、熊徹の弟子となり、渋天街に留まることを決意する。熊徹との修行と冒険の日々を重ね、やがて17歳の逞しい青年へと成長する。

多々良

猿の顔を持つバケモノで、熊徹の旧友。頭の切れる、口の悪い皮肉屋。人間であるにもかかわらず熊徹の弟子となった九太に当初は冷たい態度で接するが、次第に百秋坊とともに九太に目をかけていく。

■百秋坊

豚の顔を持つバケモノで熊徹の旧友。聡明で、誰にでも優しく接する僧侶。熊徹との師弟関係に悩む九太に助言を与える。

■猪王山

猪の顔にライオンのようなたてがみを持つバケモノ。渋天街の誰もが強さ・品格ともに一流と認める存在で、数多くの弟子を持つ、次期宗師の最有力候補。一郎彦と二郎丸の父親。

■一郎彦

猪王山の長男。親ゆずりの強さ・品格を持つ優等生。子どもの頃から父のような立派な剣士になることを夢見るが、成長するにつれて自分自身が何者なのか疑念を抱くようになり、人間でありながら堂々と振舞う九太に憎悪を向けていく。

■二郎丸

猪王山の次男。子どもの頃から強いものに憧れ、父と兄を自慢に思っている。天真爛漫で、無類の食いしん坊。やがて穏やかな性格で誰とでも親しくする好青年に成長し、九太の親友となる。

■宗師(卯月)

渋天街に棲む10万を超えるバケモノを束ねる宗師を長年務めてきた長老。引退して神様に転生すると宣言し、新たな宗師となる、強さ・品格ともに一流のバケモノを探している。

■楓

進学校に通う女子高生。正義感が強く、努力家で優等生。渋谷で九太と出会い、一緒に勉強をするようになる。九太にとっては、人間界での師匠のような存在。

劇団四季オリジナルミュージカル「バケモノの子」ティザービジュアル