中国人にとって日本と中国のどちらで生活するのがより幸せなのだろうか。中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、4年間にわたって日本で生活し、その後は中国に帰国した中国人による動画を配信し、「中国に帰国したことを後悔しているかどうか」というテーマのもと、自身の心情を語っている。

 この中国人配信者は4カ月前に中国に帰国したそうだ。もともと留学生として訪日し、その後は東京で就職し、3年にわたって働いたという。配信者は「中国に帰国したことを後悔しているかどうか」というテーマの答えとして、「中国に帰国したことを後悔はしていない」と述べている。日本の清潔な街、中国にはないたくさんの美味しいお菓子、楽しいウィンドウショッピングなどは「本当に恋しく思う」と語っているが、それでも「日本に戻ってもう一度日本で生活したいという気持ちはない」と語っている。

 帰国を後悔していない主な理由は「孤独感が解消されたこと」だという。日本では中国人の友人が数人いた程度で、日本人の友人とも「心から何でも語り合える」という親密な関係は築けず、いつも孤独感があったと振り返った。そのため春節(旧正月)などの「本来であれば親しい友人や家族と楽しく過ごせるはずの時期」も、日本では小さな部屋でたった1人で弁当を食べなければならず、こうした時には涙が出るくらいの孤独を感じたと述べている。

 また、中国に帰国してから始めた仕事の給料は東京で働いていた時に比べて「かなり安い」というが、中国の物価は日本よりかなり安いため生活に困るということはなく、しかも東京では20平方米ほどの小さな部屋を毎月5000元(約8万5000円)も払って借りていたが、今住んでいる部屋は当時の部屋よりも圧倒的に広くて安いと説明している。中国の多くの地方都市では、70平方米の部屋を月1000元(約1万7000円)ほどで借りることができる。また一食15元(約260円)でお腹いっぱいになるまで食べられる飲食店もあり、現在でも中国の物価は日本に比べてまだまだ安いのは確かだろう。

 動画の配信者も指摘しているが、日本人と中国人は人間関係の「距離感」がまったく違っているため、互いに親密な関係を築くのは簡単ではないという指摘は確かによく耳にする。中国人は見知らぬ相手にはそっけない態度を見せるが、親友のためなら自分が借金をすることも厭わないほど、親密な相手には別の顔を見せるものだ。中国人に限ったことではないが、「生まれ故郷の方が暮らしやすい」ということなのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本を去った中国人は「その決断を後悔しているのか」=中国