テレビ・リモコン・女性(0meer/istock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

イギリスの24歳の女性が今、「私、脳腫瘍だったけれど、テレビドラマのおかげで命拾いしたの」と語り、人々の関心を集めている。発見のきっかけは、最近テレビのボリュームが大きすぎるという両親からの指摘だったそうだ。『The Sun』『EMINETRA』などが報じた。


■テレビドラマに夢中

ロンドンの最西端となる、ヒリンドンという町に暮らすデミ・メリックさん(24)。2019年当時、看護学校に通っていた彼女は、帰宅すると夕食を済ませ、自宅の2階にある寝室でテレビを見ることを日課にしていた。

週4回30分ずつ放映される、BBCの人気連続テレビドラマイーストエンダーズ(EastEnders)』の大ファンだったのだ。


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■テレビの大音量を指摘される

そんな中、父親のアンソニーさん、母親のケリーさんから「最近テレビのボリュームが大きすぎない? うるさくて1階まで音がもれてくるよ」「急に耳が悪くなったんじゃない?」などと指摘されるようになった。

確かに、人の言葉を聞き間違えたり、聞き返すことがあり、歩きづらさを感じるようになっていたデミさんは、耳鼻科で検査を受けることに。すると脳についても画像検査が必要になり、脳腫瘍が発覚した。

■病名は聴神経鞘腫

デミさんは医師から、「聴神経鞘腫」というタイプの脳腫瘍で手術が必要、腫瘍が徐々に肥大し、聴神経を圧迫してダメージを与えていると告げられた。これは原発性脳腫瘍の1割程度で、比較的珍しいという。

デミさんの10時間にも及ぶ手術は成功し、腫瘍はきれいに摘出できた。いったんダメージを受けた聴神経の回復は見込めないため、片方の耳の聴力は失われたままだが、リハビリも順調で体力も回復。看護師として新たな仕事が見つかり、現在はその準備に追われている。


■「ドラマと両親に感謝」

イーストエンダーズ』で俳優アダム・ウッドヤットが演じるイアン・ビールの話す言葉が、「天井から鮮明に伝わってくる」と両親に言われたときは、まさかと思ったというデミさん

命を脅かされる前に脳腫瘍を摘出できたのは、大好きなテレビドラマがあること、それを聴くボリュームが変化したこと、同居の両親がそれに気づいて指摘してくれたこと、これらの全てが組み合わさったためだ。

デミさんは、改めて「ドラマと両親のおかげで命拾いしたようなもの。心から感謝しているの」と述べている。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

「最近テレビの音がうるさすぎる」と両親が指摘 検査で20代女性に脳腫瘍が発覚