中国には世界最大級のダムである「三峡ダム」が存在する。長江の中流域に存在する三峡ダムを巡っては、建設当時から中国国内では賛否両論があり、完成してからもひび割れや歪みが問題視されている。

 現地では豪雨に見舞われるたびに「ダムが崩壊するのではないか」と懸念の声があがる。2020年に長江上流で豪雨が降り、川の水位が上昇した際も「三峡ダムの危険性」に対して世界的な注目が集まったのは記憶に新しいが、果たして、三峡ダムは今後も崩壊せずに持ち堪えることができるのだろうか。中国の動画サイト・西瓜視頻は9日、「三峡ダムはいつまで持ちこたえることができるのか」と問いかける動画を配信した。

 動画はまず、三峡ダムの必要性を強調している。建設そのものに反対する人は多かったが、長江流域は毎年洪水に悩まされており、「必要に迫られて建設したのだ」と伝えている。そして、現在心配されている「ダムの崩壊の危険」については、「心配する必要はない」と主張し、その理由は建設にあたって「非常に質の高いコンクリート」と、海外から取り入れた「世界最先端の技術」を使ったためだと主張した。

 さらに、ダムの表面に亀裂やひび割れが見られることについても「問題ない」と主張した。これは、どこのダムにも見られる現象だとしている。例えば、歩道橋にもひび割れなどを見かけるが、だからといって危険なわけではないのと同じように、ダムにひび割れがあっても別に危険なわけではないと説明している。動画では「崩壊の心配はない」と主張しているが、その根拠は決して安心できるものではないように思える。

 動画のコメント欄は「亀裂が入っているのは正常」という人と、「絶対に危険だ」という2つの意見に分かれて議論が展開されていた。楽観視する人は、「住宅に亀裂が入るのも自然の現象」と主張していた。中国の住宅は新しくても大抵亀裂が入っているので、感覚が麻痺しているのかもしれない。指摘するまでもないことだが、総貯水容量が393​億立方メートルに達するダムと住宅を同列に論じることなど不可能だ。

 事実、三峡ダムの亀裂や歪みに不安を感じる中国人は多いようで、建設関係者という中国人ユーザーからは「亀裂が入った時の修理が適切ではない。品質の問題を隠してはいけない」など、手厳しい意見も並んでいる。長江は5月末、「増水期」に入った。今年も大雨が降れば三峡ダムの崩壊論に注目が集まることになるかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

大雨のたびに崩壊論が浮上する「三峡ダム」、中国人たちの思いは