総合格闘技RIZINは13日、東京・東京ドームで『RIZIN.28』を開催した。RIZINとして東京ドームで大会を開催するのは初めて。セミファイナルでは、キックボクサーの那須川天心(TARGET/Cygames)が、大崎孔稀(OISHI GYM)、HIROYA(TRY HARD GYM)、そして榊原信行CEOが「そう来たか!と思ってもらえると思う」と話していたミスターXこと所英男(リバーサルジム武蔵小杉所プラス)の3人と1Rずつ対戦相手を変えて3Rを戦う変則マッチを行った。

 バックブローは許されていたものの、あのフロイド・メイウェザーJr.戦以来となるキック封印マッチ。最初に出て来たのは大崎兄弟の弟、大崎孔稀。同じキックボクサーで21歳と若く、将来有望な選手として近年期待されている勢いがある選手だ。試合は両者ともに激しく打ち合っていたが、時間内に倒すことは出来ず。大崎にとって変則ルールとは言え、東京ドームという舞台で天心と拳を交えたのは大きい。

 続いて出て来たのは、元K-1ファイターのHIROYA。74.3キロと今度は体重差が13キロもある選手である。天心は間合いを取りながらもプレッシャーを与えると、終了間際に右アッパーからのボディでダウンを奪う。これには場内だけではなく、テレビで見ていた視聴者からも反響が大きかったようで、SNS上ではかなり話題になっていた。

 最後は、総合格闘技レジェンド所英男とのドリームマッチが実現。いきなりバックブローの奇襲を受けるも天心は冷静に対応。倒すことは出来なかったが、来年ボクシングに転向すると発表している天心にとってはいい経験になったようだ。

 試合後、天心は「なかなか対戦相手が決まらない中で勇敢に向かって、戦ってうれしかったです」と3選手に感謝の気持ちを伝えると、「本気でボクシングの世界チャンピンを獲ろうと思っています。みなさん、那須川天心に夢を託してください」と笑顔でアピールした。バックステージでは「RIZIN大晦日が最後になると思う」と話しており、RISEとともに、RIZINの顔だった天心は、今年の大晦日に開催される予定のRIZIN埼玉・さいたまスーパーアリーナ大会をもってRIZINから卒業することになりそうだ。

(どら増田)

那須川天心