空想上の生き物である「龍」はもともと中国に起源を持ち、中国人にとって特別な存在となっている。中国人のなかには自分たちのことを「龍の子孫」と言う人もいるほどだ。

 龍は中国のみならず、日本や韓国でも広く知られているが、それぞれの国の龍は微妙に異なっている。中国メディアの快資訊は11日、日中韓の龍の違いについて紹介する記事を掲載した。
 
 中国の歴代王朝のなかには龍を国旗に採用する王朝があったほか、中国社会には「龍」にちなんだ諺も数多く存在する。記事は、龍は中国を代表する伝説の生き物であると同時に、「中国人のアイデンティティの象徴だ」と誇らしげに伝えた。

 そんな中国人にとって、日本や韓国でも龍が広く知られ、様々な場面で使われているのは気になるようで、「発祥地は中国だ」と釘を刺している。そう言える理由は、龍の遍歴にあるという。龍という伝説上の生き物が中国で生まれたのは、殷(商とも呼ばれる)の時代にさかのぼると記事は紹介した。その後、龍は徐々に形を変え「商の時代には二本爪で、秦・漢から隋・唐の時代にかけて三本爪になり、明・清の時代には朝廷の役人に限り四本爪が使用されるようになった」と伝えた。もともと龍は皇帝を象徴する存在であったが、特に「五本爪」の龍は皇帝だけが使用できるものだったとした。

 日本にも龍は伝わったが、日本にあるのは「三本爪の龍」だとし、これは明・清の時代に日本との国交が中断したためだろうと推測している。一方の韓国は、地続きだったので中国との交流が続き、「四本爪の龍」が伝わったと説明した。しかし、皇帝の象徴だった五本爪の龍は、韓国は使えなかったので伝わっていないと指摘し、これが日中韓の龍が微妙に異なっている理由ではないかと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本と中国と韓国では「龍」のデザインが「ちょっと違っていた」=中国